「解放新聞」(2021.10.25-3006)
立憲民主党の福山哲郎・幹事長は、10月12日午前の参議院本会議で代表質問をおこなった。福山幹事長は感染症対策として、持続化給付金の拡大の必要性を指摘し、具体的な施策を示さない岸田政権の政治姿勢を厳しく追及した。
また、福山幹事長は国内の人権を取り巻く状況を取りあげ、「人権侵害を受けた人を救済する人権機関の創設が急務」であることを強調した。さらに、「最近ではインターネット上の誹謗中傷でみずからの命を絶つという本当に耐えがたい事案も出ている。インターネット上の誹謗中傷をふくむあらゆる差別の解消をめざすとともに、差別に対応するため、国内人権機関を設置すべき」と強く要請した。答弁した岸田首相は、「人権救済制度のあり方については、これまでされてきた議論もふまえ、不断に検討している。政府としてはひき続き、差別のない社会に向けてしっかりととりくんでいく」と具体的な回答をおこなわなかった。
また、インターネット上の差別情報・誹謗中傷への対策については「事業者による自主的な書き込みの削除や人権啓発活動などの必要なとりくみをひき続き推進していくと答弁した。
福山幹事長はそのほかにも、コロナ禍での生活困窮者や子育て世帯への生活支援、性的少数者への差別を禁止する法制度、入菅体制の見直しなどについて質問した。
岸田首相は10月14日、衆議院を解散した。衆議院総選挙は19日公示・31日投開票の日程でおこなわれる。
今回の総選挙は、基本的人権の尊重や民主主義、平和主義という理念を踏みにじり続ける強権政治に終止符を打ち、今後の政治の方向性を決定する重要な闘いだ。「戦争する国」づくりをすすめ新自由主義政策によって貧困と格差を拡大させ、コロナ禍に政権を投げ出した安倍・菅政治と同じように説明責任を果たさない岸田政権と対決し、人権と平和、民主主義と環境の確立をめざす政治勢力を大きく結集しよう。
なお、衆議院総選挙と同時に最高裁判所裁判官国民審査も実施される。
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