「解放新聞」(2021.11.15-3008)
【福井】 福井県交渉を10月27日午後、小浜市・県立若狭図書学習センターでとりくみ、福井県連の山下敬太郎・執行委員長はじめ執行委員や支部員など、中央本部からは池田、髙橋、安田の各中執、あわせて20人が出席した。県からは窪田裕行・健康福祉部長ら担当部課長が出席した。
県連を代表しあいさつした山下県連委員長は、「部落差別解消推進法」施行、2020年9月施行の「高浜町人権のまちづくり条例」を示し、県が主導力をもって全県的な条例制定を実現してほしいと要望。また「推進法」の県民への周知についても、より実効性のある施策の実施を強調し訴えた。
交渉の要求課題は、▽「推進法」制定の周知の市町の状況・とりくみ▽人権条例制定への市町の現状、県人権条例改正について▽インターネット上の部落差別書き込みにたいするモニタリング体制整備に向けた現状▽教職員初任者を対象にした人権意識調査実施について▽公正採用選考▽本人通知制度導入について、など。
冒頭にあいさつした窪田部長は、新型コロナウイルス感染症感染者へのインターネット上の誹謗中傷や差別にたいし昨年から人工知能(AI)を使ったモニタリングを開始したと報告。AIでのモニタリングは全国初で、今後成果をいかして部落差別をはじめとする人権問題の解決に向け仕組みを活用したい、とのべた。
「推進法」の周知の課題では、法制定などの認知について県民意識調査を実施し分析することを提起。県からは来年県民意識調査を実施したい、認知の実態についても確認すると回答。また部落差別をテーマにした研修会などでチラシやホームページ上で周知していると報告。県連からは不参加の市町もあるため、全市町へのよびかけも徹底してほしいと要望した。
人権条例に関しては市町への情報提供をおこない制定をよびかけている、との回答にとどまった。これにたいし、ネット上の部落差別や差別事件、戸籍等不正取得事件をあげながら、差別の実態にそくした行政の姿勢を強く県民に示してほしいと要望した。あわせて県実施の部落差別にかかわるインターネットモニタリングの現状について、2019年6月開始以降、法務局に26件の削除要請をおこない、そのうち1件が削除された、と報告された。
教職員初任者を対象にした人権意識調査については、全職員を対象にした調査の実施を要望した。調査項目の内容と結果についても共有してほしいと要望した。山下委員長は「教員の人権意識の実態が把握できなければ「差別と向き合い考える人権教育」は実践されない」とのべ、調査の実施を求めた。
公正採用選考にかかわっては、昨年度の採用面接などでの違反質問は34事業所39件だった。内容は、家族の職業などを聞いたもの。本人通知制度については、美浜町が今年10月から被害告知型を導入。事前登録型導入を検討中と報告され、小浜市も導入に向け検討中である、と回答があった。
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