「解放新聞」(2021.11.25-3009)
【大阪】 大阪府連女性部が「50年を紡いで未来へ」と題し、結成50周年記念集会を11月6日、大阪市・HRCビル5階ホールでひらいた。本来なら、1970年の大阪府連婦人部(93年に女性部と改称)結成から50年となる昨年の開催を計画していたが、コロナ禍で断念。1年遅れで、女性部役員らによる手作りの集会を実現した。
西郡支部女性部の「春駒」でにぎやかに開会。鈴を鳴らし「厄祓いましょう」と入場してきた一行は「元気に元気に/コロナに負けるな」と歌いながら、参加者の間を回った。2005年の鳥取全女の夜に西郡春駒保存会を結成、若手メンバーも迎えて活動を続ける。
女性部が制作したフォトムービー「大阪府連女性部結成50周年〝わたしたちの物語〟」で、これまでの歩みをふり返ったのち、来賓の村井康利・府連書記長の紹介と、赤井隆史・府連委員長のあいさつ。赤井委員長は、府連婦人部(当時)初代部長の川本竜子さん、副部長を務めた大川恵美子さん、下川文子さん―「大阪に三川あり」といわれた強い個性の3人のエピソードを紹介。「人を傷つけ犯罪に走りかねない人を解放運動に巻き込むという男性中心の昔の運動から、いまは、群れから外れ、リストカットや売春など自分を傷つける人に寄り添い、居場所をつくる運動が重要。そうした新しいつながりをつくれるのは女性」と強調、新しい女性部として頑張ってほしいとエールを送った。
第1部の最後に、「水平社の姉妹たち」と題し、関西大学人権問題研究室嘱託研究員の宮前千雅子さんが講演。水平社運動でもこれまで見えない存在にされてきた女性に光を当て、平野小剣の民族自決団の檄には「兄弟姉妹」の語があったこと、学齢期の女の子が下駄表作りなど部落産業を支えたこと、1923〜27年頃の水平社で女性の発言・活動が記録に残っていることなどを紹介した。
LaLaアルモニーのトーンチャイム演奏からはじまった第2部では、鶴岡弘美・女性部長が「これからの物語」として主催者あいさつ。企画変更と忍耐の連続のなか1年半かけ、各方面の協力で集会を準備したと紹介。女性独自の活動から女性共闘へ、いくつもの活動を通じ力をつけてきた歴史をたどり、人間への信頼を基本に女性部は前進していきたい、と決意を語った。
中田理恵子・副部長が「水平社宣言」を朗読後、岡井寿美代・常任委員の閉会あいさつで終了した。
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