「解放新聞」(2021.11.25-3009)
「大震災から10年!防衛より防災!共に生きる確実な明日へ」をテーマに掲げて、憲法理念の実現をめざす第58回大会(第58回護憲大会)を10月30、31日、宮城県仙台市・仙台国際センターでひらいた。1日目には150人が参加した。前年に続き、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、参加人数をしぼるとともに、開催日程も3日間から2日間に短縮する一方、会場と全国をオンラインで結び、ユーチューブ(YouTube)チャンネルで中継をおこなった。リモート参加も多かったとみられる。主催は第58回護憲大会実行委員会(委員長=勝島一博・平和フォーラム共同代表)。
1日目は、開会総会の主催者あいさつで勝島委員長が、「改憲勢力と真っ向から対峙して改憲を阻止することができた。この成果を今大会で共有し、自信と確信をもって、つぎの闘いにつないでいこう」とよびかけた。地元実行委員会の砂金直美・委員長のあいさつ、来賓のビデオメッセージ紹介などに続いて、竹内広人・実行委事務局長が基調提案。立憲主義の回復をはじめ、平和主義をとりもどすこと、基本的人権の確立、持続可能な社会の実現、国民主権をとりもどすこと、などの方向性を示した。
「震災から10年―被災地の今と基本的人権」をテーマにおこなわれたシンポジウムでは、4人が報告。とくに避難所運営について語った高橋鉄男・河北新報社報道部震災班キャップは、大規模災害では避難所運営に市職員を貼りつけることができず、学校の避難所は教職員が運営せざるを得なかった事例を示すとともに、商業施設などから閉め出された避難者が学校に押し寄せて地元住民が避難できない事態が生じたことを、「震災の教訓」と強調。また、避難所の「収容力が足りない。在宅避難、分散避難の重要性が高まっている」とのべた。女性の立場から避難所運営について語った宗片恵美子・NPO法人イコールネット仙台常務理事は、調査をふまえて避難所運営のリーダーがほとんど男性であるため、「女性の声が届かない」実情を示し、女性のリーダー育成に努めていることを紹介した。また、「復興計画に女性の参画が必要」と訴えた。
シンポジウム後、改憲の動きと問題点を、福田護・弁護士と飯島滋明・名古屋学院大学教授が報告した。
31日は、軍事基地化がすすむ南西諸島の現状を映像で視聴。ここでは米国と中国の対立下、ミサイル防衛の最前線と位置づけられている。飯島教授が解説をおこない、米軍の戦略に組み込まれ、島をはじめ宮崎県(新田原(にゅうたばる)基地)などがミサイル攻撃を受ける危険性がある、と指摘した。
次回の第59回護憲大会は22年11月12〜14日、愛媛県松山市でひらかれる。
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