「解放新聞」(2022.02.05-3016)
【滋賀支局】 行政書士による戸籍等の不正取得と興信所への横流し事件真相報告会を昨年12月16日午後、大津市・解放県民センター光荘でひらき、11市4町と2団体から40人が参加した。(事件は「解放新聞」3005号7ページに既報)
山口敏樹・県連副委員長が「戸籍等の不正取得は身元調査につながっている。身元調査は被差別者の人生の節目節目で発生するきわめて悪質な差別事件。決して許されない行為である」と開会あいさつ。
このあと丸本千悟・県連書記長代行が経過報告と行動提起をおこなった。9月13日付けで県内の19市町にたいしておこなった職務上請求書の公開請求の結果、12市1町で66枚の職務上請求書が使用されていることが判明した。また、この請求書を使用して住民票24通、戸籍謄本42通、原戸籍41通、除籍簿14通、戸籍附票42通の合計163通が不正取得されていることも明らかになった。
今回は、県内で戸籍等の事前登録型本人通知制度に登録している人からの不正取得は出ていないが、これは登録者が少ないため。11月30日現在、登録者は1万1143人で、登録率は0・79%。きわめて少ないのが現状だ。あわせて大津市など3市2町では被害者告知制度が整備されていない。整備されていても被害者告知制度にもとづいて通知をおこなった行政はなかった。その理由として①今回の行政書士による取得が不正取得かどうか判断しかねる②法務省からも何らの情報や指示がない、の2点が各市町から報告された。
これらをふまえて行動提起をおこなった。▽重大な部落差別事件という認識のもとで各市町の人権対策本部会議をひらき今回の事件の共通認識をはかる▽被害者告知のとりくみをおこなう▽法務局へ真相解明に向けた要請をおこなう▽戸籍等の事前登録型本人通知制度の登録者を増やすとりくみの強化▽各市町の人権教育推進協議会等で事件の真相報告と身元調査お断り運動の強化。
最後に、藤野政信・県連委員長は「今回の事件について、もっと関心を持って最大限のとりくみをお願いする」と閉会あいさつでのべた。
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