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NEWS & 主張

放火事件許すな 〜ヘイトクライムをなくそう
京都

「解放新聞」(2022.02.15-3017)

焼跡の前に立つ金秀煥さん(2021年9月・京都府宇治市)

焼跡の前に立つ金秀煥さん(2021年9月・京都府宇治市)

 【京都支局】 「ウトロでの放火事件を許さない!ヘイトクライムのない社会をめざす市民集会」が昨年12月26日、京都市・同志社大学でひらかれ、200人が参加。オンライン参加も250人にのぼった。

「反ヘイト」のよびかけに会場には200人が参加(2021年12月26日・京都市)

「反ヘイト」のよびかけに会場には200人が参加
(2021年12月26日・京都市)

 昨年8月30日、宇治市のウトロで住宅や倉庫など7棟が焼けた。住民が家を失い、ウトロ平和祈念館に展示予定だった資料や看板など多数が焼失した。当初は老朽化による失火と見られていたが、12月6日、宇治署が奈良の22歳の男を逮捕し、放火と判明した。7月にも韓国民団愛知県本部(名古屋市)などに放火し、10月に愛知県警に逮捕されていた人物だった。

 犯行の動機は「朝鮮人が嫌いだったから」。明らかなヘイトクライム(差別による憎悪犯罪)である。この事件を受けて、京都府・京都市に有効なヘイトスピーチ対策の推進を求める会のよびかけで集会がひらかれた。

 ウトロからの訴えとして、まず南山城同胞生活相談センターの金秀煥(キムスファン)・代表が登壇。京都朝鮮第一初級学校が在特会(在日特権を許さない市民の会)などに2009年12月4日、襲撃されたときの保護者だったとのべた金さんは、住民が撮影した住宅が燃えさかる動画などを映しながら現場の状況を説明した。

 ウトロ民間基金財団の郭辰雄(カクチヌン)・理事長は「未来への貴重な記録が失われた。つぎは自分がターゲットかなどと不安に襲われている。差別を動機とした犯罪のヘイトクライムはたんなる刑事事件として裁かれてはならない」と発言。

 よびかけ団体からは、同志社大学教授でもある板垣竜太・共同代表、弁護士の上瀧(こうたき)浩子・共同代表があいさつ。構造的レイシズムの克服や、法制度の課題について訴えた。

 韓国からはオンライン中継でウトロ生まれの具良鈺(クリャンオク)・弁護士が「放火犯より怖いのは社会の無反応だ。ヘイトを許さない強いメッセージを」と訴えた。また、韓国のウトロ平和祈念館を支える市民の会から送られてきたビデオメッセージが映された。

 連帯あいさつは、外国人人権法連絡会の師岡康子・弁護士、日朝友好青年・学生ネットワークの金慶(キムキョン)さんがおこない、求める会の角替(つのがい)豊・代表世話人が集会アピールを朗読し、参加者一同で採択した。

 なお、犯人は、昨年12月27日、非現住建造物等放火罪で起訴された。

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