【新潟支局】 「全国部落調査」復刻版出版事件裁判の被告らによる差別動画「部落探訪」がインターネット上で部落差別を拡散し、各地で被害がおきている。上越市内の動画について、２月９日、中川幹太・上越市長は新潟地方法務局上越支局(同市内)を訪れて要望書を読みあげ、決して許されるものではないと指摘。速やかに削除されるよう措置を講じ、また、行為の違法性を広く地域住民に周知・啓発するように求めた。

　同差別動画にたいする上越市の新潟地方法務局要請は19年９月、20年12月に続く３回目。山田正典・上越支局長、西山工三・上越人権擁護委員協議会会長らが対応し、復刻版裁判の東京地裁判決は十分承知している、みなさんの意向をしっかりと承り法務省に伝える、などと回答した。

　提出した要望書は「インターネット上の人権侵害事象に関する要望書」。新潟地方法務局の人権擁護課長と上越支局長宛。▽同差別動画が「部落差別の助長につながる社会問題」になっている▽動画等の削除はすでに新潟地方法務局に２回依頼している▽法務省の「依命通知」（18年12月）に該当する事案▽表現の自由を濫用し他者の人権を侵害することは決して許されない、と指摘。「人権侵犯事件として必要な措置等」を講じるよう要望し▽「示現舎並びにプロバイダ等、関係者」にたいし「部落探訪」掲載の人権侵害情報の速やかな削除へ説示や勧告の措置を▽行為の違法性について広く地域住民へ周知・啓発を、と求めている。