「解放新聞」(2022.03.15-3020)
全国水平社創立から100周年を迎えた3月3日午後、創立大会がひらかれた京都市の岡崎の地で全国水平社創立100周年記念集会をひらいた。会場はロームシアター京都。同盟員、共闘関係者など1000人が集い、厳しい部落差別と闘った先人の思いを胸に刻み、部落差別の撤廃へ団結して前進することを誓いあった。集会の冒頭には、物故者・無名戦士に向けて黙禱(とう)をおこない、運動の前進を誓った。また、「〜全国水平創立一○○周年〜部落解放同盟―新たなる決意」(2㌻に掲載)と題した決意宣言で4点からなる部落解放同盟の決意を明らかにし、奮闘を誓った。第2部では100周年を記念して制作した記念映画『破戒』を上映した。
主催者あいさつに立った組坂委員長は、「100年続く運動を受け継ぐことを誇りに思いながら、先人の血、汗と涙の尊い犠牲のうえにいまの運動があることを私たちの胸に刻もう」とよびかけた。ロシアのウクライナへの軍事侵攻については、松本治一郎・元委員長の言葉を示しながら「戦争は最大の人権侵害。人間の尊厳を求めるわれわれは、連帯共闘する仲間とともに各地から反戦の声を大きくしなければならない」と強調した。結びに、この記念集会を人間解放・部落解放への大きな道筋をつける契機に、とのべ、諸課題の解決へいっそうの団結を出席者によびかけた。
集会オープニングには京都・吉祥院六斎念仏踊りが披露され開会、『破戒』に出演した俳優の峰蘭太郎さんが「水平社宣言」を朗読。主催者あいさつに続き、地元京都から、西脇隆俊・府知事、門川大作・京都市長が来賓代表あいさつした。政党あいさつでは、立憲民主党の福山哲郎・参議院議員、公明党の伊佐進一・衆議院議員、国民民主党の前原誠司・代表代行(衆議院議員)、社会民主党の大椿裕子・副党首が祝辞をのべた。石川一雄さん、石川早智子さんも登壇し狭山再審闘争の勝利に向けていっそうの支援を訴えた。
功労者・物故者の表彰は代表表彰とし、大野昭則・元副委員長(京都府連顧問)と岸田章子・元副委員長(前中央女性運動部長)が組坂委員長から表彰状を受けとった。その後、岸田元副委員長が代表あいさつし、女性活動家としてマイノリティの人権確立へ信念を貫き通した来し方をふり返った。友誼団体への感謝状は、部落解放中央共闘会議、同和問題に取り組む全国企業連絡会、『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議の3団体に贈り、それぞれから今後の抱負などが語られた。また、松本治一郎賞を反差別国際運動代表理事のニマルカ・フェルナンドさんが受賞し、受賞の言葉が代読された。
第2部では『破戒』の完成披露上映に先立ち、主役の「丑松」を演じた間宮祥太朗さんと前田和男・監督が舞台あいさつした。閉会あいさつは西島書記長がおこない「部落差別をつぎの世代に引き継がせまいと苦心し奮闘した先人の思いのバトンを受け取った、団結し全力で闘い続ける決意を確認し、明日からのとりくみにつなげよう」とよびかけた。
集会後は中央本部三役が記者会見し、部落解放運動の今後の課題と展望などを語った。
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