pagetop

NEWS & 主張

原発、原爆、戦争に反対と 〜さようなら原発首都圏集会
東京

「解放新聞」(2022.05.05-3025)

中央本部のブースでは狭山事件の再審を求める署名活動がおこなわれ、約70筆が集まった(4月16日・東京)

中央本部のブースでは狭山事件の再審を求める署名活動がおこなわれ、約70筆が集まった(4月16日・東京)

東京都連からは15人が参加し、デモ行進した

東京都連からは15人が参加し、デモ行進した

 【東京】 「さようなら原発首都圏集会」が4月16日、東京・亀戸中央公園でひらかれた(主催は「さようなら原発」一千万署名 市民の会)。2300人が参加した。ロシアのウクライナ侵攻から約1か月半。国外避難民は500万人にのぼり、状況は厳しさを増す。ロシア軍は、ウクライナのザポリージャ原発、チョルノービリ(ロシア語の旧表記ではチェルノブイリ)原発を攻撃して制圧(現在、チョルノービリ原発はウクライナの管理下)。原発攻撃の危険性が明らかになったにもかかわらず、日本では電力価格の高騰や3月の福島地震による電力需給逼迫(ひっぱく)警報などで、原発再稼働に向けた動きが加速している。いまこそ「原発も戦争もなくそう」と声をあげることが求められている。

 鎌田慧さん(ルポライター)は、「ロシアのウクライナ侵攻に私たちは何の歯止めもできていない。自民党の保守派は非核三原則を破り、核の保有を口にする。戦争で、原発が核爆弾と同じ役割を果たしている。一日も早く原発を止め、核廃絶をすすめることが必要だ。原発、原爆、戦争に反対の声をあげよう」と主催者あいさつをした。

 福島市から京都府京田辺市に避難している宇野朗子(さえこ)さん(福島原発刑事訴訟支援団)は、「福島原発汚染水の海洋放出は、何としても止めなければならない。2019年に福島原発刑事裁判で、東電幹部に全員無罪の判決が出た。控訴審は、証人調べと現場検証をおこなわずに6月6日に結審される予定だ。公正な裁判を求めて全国から支援をお願いしたい」と訴えた。

 伴英幸さん(原子力資料情報室共同代表)は、「1986年4月26日に事故を起こしたチョルノービリ原発が侵攻され、欧州一のザポリージャ原発は1号機が被弾、使用済み核燃料貯蔵建屋も2発被弾した。もし原子炉を貫通していたら、大きな放射能被害に進展していた。原子力施設が攻撃されたらひとたまりもなく、いつでも原発は標的にされる」と危険性をのべた。

 田口努さん(日本YMCA同盟代表理事)は、「ロシア、ウクライナにあるYMCAと連携し、26組70人近いウクライナ避難者を支援してきた。きょうも十数人が日本に到着した。ウクライナでは、自由、文化、アイデンティティが奪われ、殺されている」と語った。

 落合恵子さん(作家)は、「原発のある国で人は生きている。ウクライナには15基の原発がある。日本も11年前の春、どれだけの苦しみを味わったか。私たちが平和をつくるしかない」と閉会あいさつ。

 デモは亀戸中央公園を出発して錦糸町まで約1時間半、沿道の人びとに「再稼働反対」「原発を標的にするな」「ロシアはウクライナから撤退しろ」などとシュプレヒコールしながら行進した。

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)