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埼玉で「県条例」可決 〜部落差別の禁止を明記

「解放新聞」(2022.07.25-3034)

 【埼玉支局】 埼玉県議会は7月7日午後、「埼玉県部落差別の解消の推進に関する条例案」を可決し、同日施行した。部落差別の禁止を明記。県などの責務や教育・啓発、相談体制の充実、部落差別の実態把握も盛り込んだ。日本共産党を除く全会派が賛成した。

 部落差別の禁止は第三条。「何人も、図書、地図その他資料の公表又は流布、インターネットの利用による情報の提供、結婚又は就職に際しての身元の調査、土地建物等を取引の対象から除外するための調査その他の行為により、部落差別を行ってはならない」と明記した。

 県の責務(第四条)には、総合的施策の実施、国・市町村・県民・事業者との連携などを明記した。県民の責務(第五条)や事業者の責務(第六条)では、部落差別を解消する必要性への理解を深めるとともに、県が実施する施策に協力するよう努めることを求めた。

 教育・啓発(第七条)、相談体制の充実(第八条)も明記。部落差別の実態把握(第九条)では、「部落差別解消推進法」第6条調査への協力と、必要に応じ、情報化の進展にともなう状況の変化もふまえ、実態把握に努めることを盛り込んだ。

 片岡明幸・埼玉県連委員長は「部落差別は許されないと、県の姿勢を明確にしており、ひじょうに重要」と評価。県議会では、民主フォーラムの田並尚明・議員が、戸籍等不正取得事件や土地差別事件など、具体的な部落差別の状況をあげて賛成討論し、また、反対討論をした日本共産党にたいしても、その偏見・人権侵害を指摘して反論した。

 「条例案」をまとめた自民党県議団の田村琢実・幹事長は「昨年提起されて政務調査会で検討してきた。具体的な差別が多いのに驚いた。県の政策として条例にしなければならないと考え、案をまとめてきた」「罰則はないが、差別をなくしたい思いが県民に伝わることを」と閉会後に語った。

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