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NEWS & 主張

宣言を読み解く 〜日本カトリック部落差別人権委員会などが主催
水平社宣言100年シンポ

「解放新聞」(2022.08.05-3035)

右から駒井さん、朝治さん、松浦さん(6月11日・大阪市)

右から駒井さん、朝治さん、松浦さん(6月11日・大阪市)

 「6/11水平社宣言100年シンポジウム 人の世に熱あれ 人間に光あれ」が6月11日、大阪市・カトリック大阪梅田教会サクラファミリアでおこなわれ、会場とオンラインの両方で100人が参加した。主催はカトリック大阪教会管区部落差別人権活動センター、日本カトリック部落差別人権委員会の共催。

 主催者を代表して日本カトリック部落差別人権委員会の担当者である長崎教区の中村倫明・大司教があいさつ。集会のタイトルであり、「水平社宣言」を締めくくる言葉「人の世に熱あれ、人間に光あれ」を引き合いに「日本で最初の人間宣言、人権宣言といわれる。世界で初めて被差別マイノリティがおこなった当事者の人権宣言であるといわれる。素晴らしい宣言を受けとり直しながら、この問題に携わっていく力をいただければいい。人権委員会で毎年、全国大会をひらき、最後にミサをおこなっている。解放ミサという。その最後のミサの祝福で「人の世に熱あれ、人間に光あれ」と宣言していく。まだまだ宣言をよくわかっていない。参加者とともに学ばせていただきたい」とのべた。

 シンポジウムは、名古屋教区の松浦悟郎・司教がコーディネーターを務め、大阪人権博物館館長の朝治武さんと、水平社博物館館長の駒井忠之さんが講演。

 「水平社宣言の成立」をテーマに語った朝治さんは、「水平社が問題にしたのは、近代の差別」とのべ、近代天皇制的身分階層秩序を示した。部落改善運動と融和運動の限界が明らかになるなかで、米騒動を契機に各地では部落青年が決起して全国水平社創立の機運が高まる。創立大会を前に作成された綱領、宣言、決議、則について、朝治さんは「全国水平社の理念として一体である」ことを強調。「四位一体で意味がある」とのべた。

 「水平社宣言の熱と光」をテーマに語った駒井さんは、「此際吾等の中より人間を尊敬する事によって自ら解放せん」の部分を水平社宣言のなかで重要視し、西光万吉さんがいいたかったこととして解説した。

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