「解放新聞」(2022.10.25-3043)
【大阪支局】 府連は9月末、府議会の各会派にたいしてインターネット上の人権侵害に実効性ある施策を求める要請行動をおこない、①差別の禁止と被害者救済②実態把握と相談活動・体制の整備③教育・啓発などについて対応を求めた。
今年3月に「大阪府インターネット上の誹謗中傷や差別等の人権侵害のない社会づくり条例」が制定された。条例のもとに学識経験者などによる有識者会議がこれまでに3回ひらかれ、中間報告がまとめられている。9月末からひらかれている府議会で議論が深められ、予算措置もふくめた大阪府としての考え方、具体的な施策が年内をめどに打ち出されることになっている。
要請行動は赤井隆史・委員長をはじめ、府連3役が中心となって、9月14日に民主ネット、21日に公明党と自民党、22日に大阪維新の会、28日に自民保守の会と旭区民の会にたいして展開。各会派からは代表・幹事長らが出席し、要請内容にもとづいて意見交換をおこなった。
府連からは▽吉村知事が国にたいして要請をおこない一部法改正がすすんだが、根本的な解決に至っていないこと▽鳥取ループ・示現舎は「全国部落調査」復刻版裁判でもひらきなおり、多くの模倣犯も出ている。削除要請をおこなっても削除されず野放しの状態にあること▽全国各地でモニタリングが展開され成果をあげているが、大阪ではとりくみが遅れていること、などを指摘した。
また、和歌山県の条例ではネット上での部落差別情報の拡散防止をはかるためにプロバイダの責務を規定、兵庫県ではインターネット・モニタリング事業がとりくまれている状況も説明し、国に先駆けて大阪府として一歩踏み込んだ実効性ある措置の実現に向けて、府議会で議論をすすめてほしいと求めた。
各会派からは、「モニタリングなどの実態把握は全自治体でやらないと意味がない。府という広域行政でとりくむ意義がある」(民主)、「大東市で先行して条例が制定されている。他府県の先進事例も参考にしていきたい」(公明)、「(自分も)ネットで被害にあい裁判を起こしたが、時間・費用を考えると泣き寝入りすることが多い。実効性がどこまで確保できるのかが課題だ」(自民)、などの意見が出された。府連では、実効性ある施策の実現に向けた働きかけを強めていくことにしている。
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