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研究成果を運動への提言につなげ 〜全国部落史研究大会
奈良

「解放新聞」(2022.12.15-3048)

全水100年をきっかけに作成された書籍関連の報告が各地からあった(11月5日・奈良県大和高田市)

全水100年をきっかけに作成された書籍関連の報告が各地からあった(11月5日・奈良県大和高田市)

 【奈良】 第26回全国部落史研究大会が11月5、6日に大和高田市の奈良県産業会館でひらかれ各地からおよそ60人が参加した。1日目は全国水平社創立100年を機に各地で出版(予定)の書籍について研究発表として5つの報告が。2日目には、御所市の水平社博物館の見学にとりくんだ。

 開会行事では、朝治武・同会代表の主催者あいさつに続き、地元から伊藤満・奈良県連執行委員長が、また部落解放・人権研究所の谷川雅彦・代表理事のメッセージを棚田洋平・業務執行理事・事務局長が代読した。朝治代表は、「紀要の充実、発信、また研 究や大会での討議を通じて質の高い研究にとりくもう。市場原理主義が深まるなかで部落史等の基礎研究が停滞するなか、人材不足、資金の問題など多くの課題がある。一方では、ラムザイヤー論文の国際的な流布やマスコミが部落史研究を適正にふまえないままに「士農工商」の文言を使うといったことがなされている。各地の研究成果や課題を共有していくが、現実の問題に答えるとりくみを今後も続けてほしい」と提起。伊藤委員長は、「感染症の拡大やこれまでにない気候変動が社会問題となるなか、全国水平社創立から100年を迎えたこの激動の社会のなかで部落解放運動をどう展開していくのかが大きな課題。部落史研究の成果に学びながら連携してとりくんでいきたい」とのべた。

 研究報告では、「『解放の父 松本治一郎への手紙―全国水平社を支えた人々との交流』について」を福岡県人権研究所の関儀久・理事、『四国の水平運動』を四国部落史研究協議会の山下隆章さん、『入門 山口の部落解放志』を髙林公男さん、『京都の部落解放運動史―水平社創立100年』を京都府連の神原弘明さん、『東京の部落解放運動100年の歩み』を東京都連の近藤登志一・書記長がおこなった。報告は2部にわけておこなわれ、活発な質疑応答と意見交換がなされた。

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