pagetop

NEWS & 主張

滋賀県実行委がセミナーで現地学習 〜ウトロ平和記念館を訪問し
滋賀

「解放新聞」(2022.12.15-3048)

ウトロ平和記念館に移築された飯場のようす(10月17日・京都府宇治市)

ウトロ平和記念館に移築された飯場のようす(10月17日・京都府宇治市)

 【滋賀支局】 部落解放・人権政策確立要求滋賀県実行委員会は10月17日、今年度の第1回人権セミナーとして、4月に開館した京都府宇治市のウトロ平和記念館を訪問。田川明子・館長からウトロ地区の歴史や現状を聞き、館長ら2人の案内でフィールドワークして学習した。仙石龍圓・会長をはじめ28人が参加した。

 戦前の陸軍京都飛行場建設に集められた朝鮮人労働者たちの飯場跡から生まれ、多くの困難のなか、住民が守り抜いてきた地域。昨年8月に住宅など7棟を全半焼させられたヘイトクライムの現場も視察した。

 田川館長は、長年「在日コリアンの集住地区」「不法占拠の町」として差別されてきたとふり返り、▽敗戦後、朝鮮人労働者たちは使い捨てのようにされ、植民地支配による故郷の生活基盤破壊、財産持ち出し制限など諸問題で帰る場所がなく、厳しい貧困と差別のなかを助け合い暮らした▽土地が企業に転売され、一方的に立ち退きを迫られて訴訟に発展し、植民地支配と戦争に起因する問題の本質を考慮しない日本の司法によって「不法占拠者」とされた▽上下水道、道路など生活インフラは整備されず劣悪な住環境が長年放置され、3、4年前まで台風がくると浸水被害があった▽住民が立ちあがり、日本の市民の支えや韓国の支援募金運動など多くの支援の結果、土地問題を解決し住環境整備を実施、市営住宅が建ち、第2期の公営住宅も建設工事中、など今日までの経過と現状を紹介。「あらゆる差別は見ようとしなければ見えない。いまも差別は根強い」「ウトロ地区のことや差別があることをなかったことにしてはいけないという思いで平和記念館を創った」と訴えた。

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)