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NEWS & 主張

深刻な現状を報告 〜「世界人権宣言」の具体化を
世界人権宣言74周年

「解放新聞」(2022.12.25-3049)

東京集会には447人が結集し、学習した(12月6日・東京)

東京集会には447人が結集し、学習した(12月6日・東京)

ウィシュマさんの死亡事件を通して

 世界人権宣言中央実行委員会は12月6日午後、東京・ニッショーホールで世界人権宣言74周年記念東京集会をひらき、447人が参加。「入管行政から考える日本の人権状況」と題して指宿昭一・弁護士が講演し、名古屋入管でスリランカ人のウィシュマさんが死亡した事件を通して日本の深刻な人権状況を報告、国連勧告に向き合わない政府に改革を迫ろうと訴えた。

 西島藤彦・副実行委員長(部落解放同盟中央執行委員長)が主催者あいさつ。ウクライナ戦争の終結を求めるとともに「人権週間に人権の課題をいま一度学び、とりくもう」とのべ、「水平社宣言」に込められた自主解放、差別撤廃の願いを紹介。インターネット上の差別情報氾濫にたいする法整備実現への決意も語り、「世界人権宣言をしっかりと根づかせ、誰一人取り残さない、すべての人の課題だと共有し、差別撤廃の運動を」とよびかけた。

 来賓からは、小池百合子・東京都知事のメッセージを吉村幸子・都総務局人権部長が代読。愛媛県人権対策協議会の山先芳輝・会長代行も紹介された。閉会あいさつは、服部雅幸・副実行委員長(東京人企連理事長)。司会は関優・東京人企連専務理事が務めた。

「沖縄問題」は民主主義の問題と訴え

全水100年をきっかけに作成された書籍関連の報告が各地からあった(11月5日・奈良県大和高田市)

全水100年をきっかけに作成された書籍関連の報告が各地からあった(11月5日・奈良県大和高田市)

 世界人権宣言74周年記念大阪集会が12月6日、大阪市東成区の区民ホールでひらかれ、「『沖縄問題』を通して平和と人権を考える」をテーマにシンポジウムをおこない350人が参加した。主催者を代表し世界人権宣言大阪連絡会議の森実・代表幹事があいさつ。沖縄、石垣島等の自衛隊基地の配備にふれ「ウクライナは遠くの出来事ではない」と訴えた。シンポでは作家で沖縄大学の仲村清司・客員教授と石垣市住民投票を求める会の宮良麻奈美さんが登壇。コーディネーターを同大阪連絡会議の谷川雅彦・事務局長(部落解放・人権研究所)が務めた。

 仲村さんは、戦後77年、本土復帰50年で基地問題について、沖縄戦を体験し米軍統治下を生きた世代と本土復帰後の若者世代との分断を指摘。「埋めるべき溝は本土より沖縄内部にある」と指摘し、若者たちに寄り添った対話をし続ける必要性を訴えた。

 石垣島への自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票を求める署名を有権者の約4割の1万4263筆集め、18年に住民投票条例制定を直接請求したが、市議会で否決された。「民主主義的な手段の反論として裁判」として、裁判闘争を展開した宮良さんは、「イデオロギー問題でなく、人権であり民主主義の問題として捉えてほしい」と訴えた。

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