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NEWS & 主張

事実調べ 実施を求め 〜署名運動など強め世論拡大を
狭山事件・第53回三者協議

「解放新聞」(2023.02.15-3055)

 狭山事件の第53回三者協議が1月31日、東京高裁でひらかれた。検察官は2月末までに事実調べ請求にたいする意見書を提出するとしており、弁護団は、その検察官意見書にたいする意見書を、昨年7月の検察官意見書への反論をふくめて提出すると伝えた。これらの双方の意見書をふまえて、裁判所が事実調べを実施するかどうかを判断することになる。11人の鑑定人尋問とインク鑑定の実施を求める署名運動などのとりくみを強め、世論を拡大しよう。

 スコップ、タオル関係の証拠開示については、今回も検察官が「不見当」という回答だった。弁護団は、前日の1月30日に意見書を提出し、裁判所による証拠開示勧告の発令をあらためて求めている。再審請求での証拠開示を法制化する「再審法」の改正を求め、国会請願署名などのとりくみもさらにすすめよう。

 次回の三者協議は4月中旬の予定。

 この間、弁護団は、狭山事件で有罪証拠の一つとなった血液型鑑定の重大な問題点を明らかにした新証拠であるE鑑定を提出。これに検察官が反論した意見書(昨年7月)の誤りを明らかにした新証拠と補充書を昨年12月23日に提出した。第3次再審請求で提出した新証拠は257点になった。

 一方、検察官は昨年12月9日、弁護団のJ鑑定(取調べ録音テープ反訳をコンピュータをもちいて分析し、殺害方法などの自白は真実の体験をのべたものとはいえないと解明。昨年8月提出)にたいして意見書を提出した。今回の三者協議では、昨年8月に弁護団が提出した殺害方法、死体処理をめぐるK鑑定などの新証拠について、反論する意見書を2月末までに提出するとした。また、昨年12月に弁護団が提出した血液型関係の新証拠については、反論する意見書を3月末までに提出するとした。

 三者協議には、弁護団は中北龍太郎・事務局長、竹下、平岡、近藤、青木、河村、七堂、小野、小島、山本、指宿の各弁護人が参加した。事前の弁護団会議には赤井書記長も参加した。

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