「解放新聞」(2023.04.05-3060)
【鳥取支局】 鳥取県連は3月12日、差別事件報告・人権確立をめざす鳥取県民集会を倉吉市内の倉吉体育文化会館でひらき、147人が参加。2022年度の差別事件を報告し、差別を許さない社会に向けて、差別禁止法や実効性ある「人権侵害救済法」の制定、差別の禁止や罰則を盛り込む「部落差別解消推進法」強化・改正など、人権の法制度の早急な確立を国や県に強く求めようと確認した。
「激変する情報環境と差別撤廃のための新たな課題」をテーマに、北口中央執行副委員長が講演した。
津川俊仁・県連委員長があいさつし、下吉真二・県連書記長が差別事件を報告。部落出身者を誹謗中傷する差別投書や、結婚にかかわる「同和地区」問い合わせ、事業所内の差別発言、中央執行委員長や県連執行委員を誹謗中傷する差別チラシなど、「推進法」施行から6年以上経つ現在の厳しい差別の現実を語った。
差別投書事件は、老人会がボランティアで実施している廃品回収にかかわり、昨年9月21日、参加者の自宅に郵便で差別投書が届いたもの。参加者を名指しして「強欲・守銭奴」とののしり、「こんなことをするから あちらの人はといわれるのです」として部落と悪とを結びつけている。事件にたいし、校区内の全自治会で学習会を実施した。
結婚にかかわる「同和地区」問い合わせ事件は昨年10月18日、鳥取市総合支所に、「○○(部落外の地名)の者」と名乗り、子どもの結婚相手の住宅の所在地が「同和地区」かどうかを問い合わせる電話がかかってきたもの。「相手の親が殺人をしていたらどうするのだ、後でわかったらどうする」などと犯罪と部落を結びつける悪質な差別意識をあらわにするとともに、「両性の合意のみ」(憲法24条)で成立する婚姻について、本人の属性や親の抱える問題、背景で判断している。
事業所内での事件は昨年9月4日、琴浦町内の梨選果場で従業員A(女性)が、部落出身の従業員B(女性)を数回「泥棒猫」とののしり、翌5日、他の従業員に「家族にこのことを話したら、お父さん(夫)がBのことを、(そんなことをするのは)○○(部落名)の人だけと言っていた」と発言したもの。Bさんが事件を事業所に報告したが対応はおこなわれず、また、Bさんの姉が事件を町行政に報告したが、町による事実確認や対応・指導などはあいまいなまま。Bさんをはじめ地元の支部と連携し、継続して事件にたいするとりくみをすすめている。
「全国部落調査」復刻版出版事件裁判や「部落探訪」の問題、栃木県行政書士戸籍等不正取得事件などについても報告した。
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