「解放新聞」(2023.04.15-3061)
【埼玉支局】 職務上請求書の業務外使用などの違反行為で、埼玉県が1月にさいたま市内のN行政書士を3年間の業務禁止の懲戒処分にしたと発表した事件について、埼玉県連は2月15日、埼玉県行政書士会、埼玉県市町村課それぞれと話し合いをおこなった。県連からは片岡明幸・委員長、小野寺一規・書記長、藤田源市・執行委員が出席した。
さいたま市・県行政書士会館でおこなわれた県行政書士会との話し合いには、木田亮・副会長、増田智光・総務部長らが出席した。 事件について行政書士会は、「当会がおこなっている職務上請求書の点検作業で、N会員の不適切な使用が発覚したために、21年10月に6か月の権利停止処分をおこなった」「今回の県知事の処分は、当会の処分を端緒として県が立ち入り調査をおこなったうえでなされたもの」と説明。「今後、あらゆる機会を通じて再発防止に努めたい」とのべた。また、「今年度から職務上請求書の使用等に関連した一般倫理研修の受講を義務づけ、受講しないと、今後は職務上請求書を購入できないばかりか、処分の対象になる可能性もある」と説明した。
埼玉会館でおこなわれた県との話し合いで、市町村課は「文書による調査を4回、立ち入り調査を2回実施して事実関係を調べた」「業務外の使用や不適切な記載使用など処分の対象になる職務上請求書の使用は6件で23通あったために処分した」と経過を説明。6件の事案について、依頼者(匿名)と依頼内容、違反事項などを細かく説明した。また、関係都府県に処分の通知を出したと報告した。
県連からの「身元調査に使われたとのケースがなかったか」との質問には「身元調査に使用したケースは認められなかった」と報告した。
片岡委員長は「栃木県の行政書士が大量に不正取得した事件があったが、埼玉でも不正取得が見つかったことは残念だ。報告のなかには、依頼とは関係のない親族などの戸籍をとるなど身元調査が疑われるようなケースがあるので、さらに究明したい」とのべた。
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