「解放新聞」(2023.06.15-3067)
栃木県行政書士による戸籍謄本などの不正取得事件について5月11日午後、東京都内で、日本行政書士会連合会(日行連)との意見交換をおこなった。中央本部から西島委員長、片岡副委員長、大西中執、日行連から松村和人・副会長、金沢和則・専務理事、宮本重則・総務部長をはじめ関係職員が出席した。
西島委員長が「この事件はきわめて深刻な事案。日行連など関係者のこれまでの努力にもかかわらず、不正取得事件がまた発覚した。
再発防止のためにも、真相究明に全力をあげてもらいたい」と要請。松村副会長も「深刻に受けとめている。再発防止にしっかりととりくむ」とあいさつした。
片岡副委員長がこの間の同盟のとりくみを説明。とくに京都市など京都府内の自治体による疎明資料請求について詳しく報告、「誓約書」や「専用申込書」を使用して、調査会社からの依頼ではないようにするなどの巧妙なやり方をしていることを強調した。松村副会長がこれまでの日行連の再発防止に向けたとりくみを報告。全国統一の倫理研修を義務づけるとともに、5年に1度受講しないと職務上請求書の払い出しができないことや、総務省、法務省からの指摘を受け、都道府県ごとだった払い出し業務は、担当役員や取り扱い責任者を設置、チェック体制も統一化したことなどを説明した。
同盟側から、巧妙な手口による不正事件には「指南役」の存在があり、業界全体で真相究明と再発防止策をしっかりすすめることが重要であると厳しく指摘。
さらに、栃木県が発表した処分理由では、結果として調査会社による差別身元調査を容認するような不十分な内容になっており、日行連として、あらためて声明を出す必要があることや、直接、本人への事情聴取をおこなうべきであることを強く要請した。
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