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分裂の不幸な時代こえ新たな歩み 〜和歌山県水平社100周年で記念行事
和歌山

「解放新聞」(2023.06.25-3068)

和歌山県水平社創立100周年記念集会で「記念式典」(5月17日・和歌山市)

和歌山県水平社創立100周年記念集会で「記念式典」(5月17日・和歌山市)

 【和歌山】 和歌山県連が和歌山県水平社創立100周年記念集会を、ちょうど県水平社創立100年となる5月17日午後、和歌山市内の和歌山城ホールでひらき、県内外からおよそ400人が参加した。集会終了後には近くのホテルで記念レセプションをおこなった。

 記念集会は第一部「記念式典」の藤本眞利子・和歌山県連特別執行委員による「水平社宣言」朗読から始まった。藤本哲史・県連執行委員長の主催者あいさつにつづいて、来賓として、坂本副委員長、岸本周平・和歌山県知事、尾花正啓・和歌山市長があいさつした。藤本県連委員長は、第19回県連大会までは運動の分裂など一定不幸な時代ではあったが、差別をなくそうとの思いは共通だった、とふり返った。そのうえで、部落差別がなくならないまま100年を祝う、「おめでとう」の会でよいのか、と問いかけ、100年を機に差別と闘う新たな歩みをすすめたい、と決意をのべた。坂本副委員長は、戦争終結が見えないウクライナ情勢、国内の政治情勢にもふれつつ、いまこそ水平社の原点に立ち返って101年目の運動を展開しよう、とよびかけた。功労者・物故者表彰では、代表表彰として宮本修作・県連書記長から松本貞次・県連副執行委員長に表彰状と記念品が手渡され、松本副委員長がお礼の言葉をのべた。

記念集会第二部の赤井書記長による「記念講演」

記念集会第二部の赤井書記長による「記念講演」

 第二部「記念講演」は、赤井書記長が「水平社創立から101年を迎える部落解放運動の進むべき方向について」と題しおこなった。今後の人口構造の激変に私たちは坑道のカナリア=マイノリティとしてさらされること。閉鎖的、暗い、こわい等の部落差別意識の常識は、フィールドワークや子ども食堂など実際の部落に接することで変えられること。明治維新から77年後、戦争に反対できずに敗戦、それから77年後の2022年に世論を二分して安倍国葬、もっともっと大きな力にならなければ危機的な時代に、荊冠旗のもとに結集しよう、と結んだ。

 参加者には記念品の一つとして『解放への勇者よ!和歌山県水平社創立100周年記念誌』が渡された。「解放令」以降の県内の部落解放運動の歩み、年表、写真に加え、県連の分裂から再建へといたる1974年の「第19回県連大会」をテーマにした対談も収録している。A4判・260㌻。希望者は県連(☎073・473・2301)まで問い合わせを。

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