「解放新聞」(2023.12.05-3084)
部落解放研究第56回全国集会を11月14、15日、和歌山市の和歌山県民文化会館大ホールを主会場にひらき、37都府県から2288人が参加した。「人権・平和・いのちを守る協働の取り組みをすすめ、あらゆる差別の撤廃と包括的な人権の法制度の確立を実現しよう」を集会テーマに、全体集会では記念講演として講談師の神田香織さんが「講談 はだしのゲン」を披露。福島県出身者として平和や原子力発電、東日本大震災・福島第一原発事故をテーマにした講談にとりくみ続けてきた半生を語った。主催は、部落解放研究第56回全国集会中央実行委員会(西島藤彦・実行委員長。8団体)。
地元・和歌山からは「和歌山県水平社創立100年〜創立までのさまざまな出来事と水平社の闘い〜」と題し、池田清郎・県連執行副委員長が報告。2日目には五つの分科会と、和歌山市内でのフィールドワークにとりくんだ。石川一雄さんは第4分科会「狭山事件の再審とえん罪防止にむけた課題」のなかでビデオメッセージをとおして参加者にいっそうの支援をよびかけた。同分科会では再審公判がはじまった袴田事件えん罪被害者・袴田巖さんの姉・袴田ひで子さんも登壇し、巖さんの再審無罪確定へいっそうの支援をよびかけた。五つの分科会会場では「袴田巖さんを支援するカンパ」にもとりくんだ。
全体集会で主催者あいさつをした西島藤彦・中央実行委員長(中央執行委員長)は、「国内外で人権・平和の課題が大きく後退する情勢のなかでの集会。今後のとりくみを議論し、人権確立社会の創造に向けた確かな歩みをすすめていくものに」とのべた。
現地実行委員会からは、藤本哲史・実行委員長(和歌山県連執行委員長)があいさつし、「インターネット上での部落差別をはじめとする人権侵害の状況を示しながら人権の法制度の早期実現をめざそう。諸課題解決へのきっかけとなる集会に」とよびかけた。
来賓として、岸本周平・和歌山県知事、尾花正啓・和歌山市長(和歌山県市長会会長)があいさつ。中嶋宏・和歌山県教育委員会教育総務局長が紹介された。祝電披露、中央実行委など登壇者紹介後、記念講演にうつった。全体集会の司会は、伊藤満・中央実行委員会事務局次長(中央書記次長)がおこなった。
部落解放研究第57回全国集会は、来年11月19、20日で、兵庫県神戸市内でとりくむ。
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