pagetop

NEWS & 主張

「部落探訪」削除を求め 〜全国初の仮処分申し立て
大阪

「解放新聞」(2023.12.05-3084)

記者会見に臨む(右から)赤井隆史・委員長、中井正人・弁護士、南和行・弁護士(11月6日・大阪市)

記者会見に臨む(右から)赤井隆史・委員長、中井正人・弁護士、南和行・弁護士(11月6日・大阪市)

 【大阪】 「全国部落調査」復刻版出版事件裁判で東京高裁(土田昭彦・裁判長)の控訴審判決(6月28日)では、画期的な「差別されない権利」が認められ、差し止め範囲が拡大された。しかしながら、それ以降も鳥取ループ・示現舎が運営するウェブページ「部落探訪」(現在は「人権探訪」に改称されている)は、全国各地の被差別部落を写真と文章でさらし続け、その数は10月末時点で336か所にまで拡大している。これにたいし、復刻版裁判でも原告として訴えた大阪府連富田林支部の男性が11月6日、自宅までさらす「部落探訪」記事について削除するよう大阪地裁に仮処分を申し立て、記者会見に応じた。

控訴審判決後なおネットにさらされ

 「全国部落調査」復刻版の予約販売が通販サイトのAmazonで告知される2016年2月より前、15年12月には「部落探訪」が企画、公開され、「部落探訪」撮影動画までもYouTube上に掲載して、誰もが見られるようにした。しかし、これら170本以上の動画をグーグル社に削除されると、「JINKEN.TV」と称するサイトを新たに開設し、「部落探訪」を有料で公開している。

 記者会見では、代理人の中井雅人・弁護士と南和行・弁護士が復刻版裁判の控訴審判決以後に、全国で初めて「部落探訪」削除の仮処分申請に至った経緯を説明。大阪府連の赤井隆史・委員長が会見の主催者としてあいさつした。「差別かどうかを裁判でしか争えない厳しさがある。未指定地区を含む被差別部落がネット上にさらされながら黙って生活しなければならない理不尽を許せない。全地域の怒りをこめて今回立ち上がってくれたことで、全国への闘いの拡大と差別撤廃につなげたい」とのべた。また、申立人の男性は「予断と偏見の存在するなか、私の住む地域が同和地区だとして、ネット上に差別を拡散する行為は許せない。ただちに削除してほしい」と訴えた。

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)