「解放新聞」(2023.12.05-3084)
【兵庫】 兵庫県連は兵庫県水平社創立100周年の記念集会・レセプションを11月4日午後、神戸市のラッセホールでひらき、250人が参加した。池田千津美・県連副委員長の「水平社宣言」朗読で開会した記念集会では功労者・物故者表彰のほか、「兵庫県水平社創立100周年の歴史的意義」をテーマに朝治武・大阪人権博物館館長が記念講演。中央本部からは西島委員長があいさつした。
主催者あいさつで坂本三郎・県連執行委員長は、「県水平社の創立はこれまで1922年11月の神戸水平社設立の日としてきたが、翌年に県水平社協議会が設置され、県内の水平社を統一する連合会本部が設置、総会がひらかれたことから、今年を県水平社創立100周年とした」とのべ、「創立100年を迎えたいまも、結婚差別、土地問い合わせ、戸籍謄本不正取得事件のほか、インターネット上の差別も巧妙化・悪質化し、県連には差別メールが届くなど、人権をとりまく状況は深刻だ。私たちは、水平社がめざしたすべての人の人権が尊重される社会の実現へ、「水平社宣言」をもう一度胸に刻みながら、未来に向けた希望ある部落解放運動を創造しなければならない」とよびかけた。
来賓あいさつで西島委員長は、「兵庫の部落の先達たちは、部落の仲間だけでなくさまざまな社会的弱者と一緒になって反権力の闘いを展開していった。部落差別をはじめとするいっさいの差別の解消へともにとりくもう」とよびかけた。
また、来賓として、片山安孝・兵庫県副知事、末松信介・参議院議員(自由民主党)、井坂信彦・衆議院議員(立憲民主党)があいさつ。片山副知事からは、インターネット上での誹謗中傷を禁止する条例制定を準備中であることが報告された。
功労者・物故者表彰では、坂本委員長が、受賞者、受賞者の遺族に表彰状と記念品を手渡し、地域での部落解放運動の功績をたたえた。
記念講演で朝治さんは、「農村型、都市型とさまざまな被差別部落の暮らしの実態がある兵庫は、全国の部落解放運動の縮図」と語り、兵庫のこれまでの運動を年代ごとにふり返り、その特徴について解説した。
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