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衡平社創立100年で韓国ツアー 〜運動の歴史とまちづくりを学ぶ
大阪

「解放新聞」(2024.02.25-3093)

住民グループが「希望の世の中」のとりくみで地域住民らが集える場をと建てたケヤキ図書館前で記念撮影(2023年11月18日・韓国釜山広域市)

住民グループが「希望の世の中」のとりくみで地域住民らが集える場をと建てたケヤキ図書館前で記念撮影(2023年11月18日・韓国釜山広域市)

 【大阪支局】 府連は、昨年11月16日から3泊4日の日程で韓国の「衡平運動の歴史とまちづくりを学ぶツアー」にとりくみ、支部員など16人が参加した。韓国の被差別民・白丁ぺくちょんが差別からの解放と平等を求め立ち上がった衡平社ヒョンピョンサの創立100周年を記念し、府連、府連の国際人権文化運動部、まちづくり・住民自治政策運動部が企画。

形式的上の解放後も差別は現存して

 岡井寿美代・府連副委員長を代表とした参加者は、16日に衡平社の創立の地・晋州チンジュ市に到着後、市内の慶尚国立大学で金仲燮キムジュンソプ・同大学名誉教授から「衡平運動の歴史と韓国における白丁差別の実態」をテーマに講義を受けた。肉をあつかう仕事に従事することを理由に500年ものあいだ差別され続けてきた白丁の人々は、甲午改革(1894年)で被差別身分からは形式上解放されたが、差別意識そのものは残り、居住地などさまざまな制限、抑圧を受け続けた。1923年4月25日に衡平社創立発起総会が晋州でおこなわれた。日本の植民地支配や朝鮮戦争を経て、2008年に戸籍制度を廃止した。身分制度はなくなり、いまでは白丁が誰なのかわからないが、いまでも白丁にたいする差別意識はなくなっていないことなどを学んだ。

 また翌17日には、金さんの案内で市内をフィールドワーク。3・1独立運動(1919年)がおこなわれた晋州教育庁、衡行社祝賀会がひらかれた晋州劇場跡地、白丁信徒との同席拒否事件がおきた晋州教会などを訪ね見学した。

創立100周年を迎えた衡平社の運動の歩みをフィールドワークにもとりくみ学んだ(2023年11月17日・韓国晋州市)

創立100周年を迎えた衡平社の運動の歩みをフィールドワークにもとりくみ学んだ(2023年11月17日・韓国晋州市)

誰もが主役になるまちづくりを実践

 とりくみの3日目は、韓国のまちづくりの実践を学ぼうと、盤松(バンソン)地区の住民グループ「希望の世の中」を訪問し、とりくみについての学習会、フィールドワークにとりくんだ。誰もが生まれたまちを誇りに思い、孤立せず、みんなが主役となるまちをめざして1997年に3人で活動をはじめた。翌年のIMF金融危機下で失業者が増加するなか地域住民が集える図書館づくりを計画。住民からの募金や政府・企業からの支援を受け2007年にケヤキ図書館ができた。スタッフの一人は、「たんなる困窮者支援でなく、共同体をめざしている」ととりくみを紹介した。

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