「解放新聞」(2024.03.25-3096)
第81回全国大会を3月1、2日、東京・日本教育会館でひらき、33都府県連から代議員・中央役員339人が参加した。二つの戦争と経済不況、民主主義の危機と右傾化、地球沸騰化など、世界規模の複合危機のもとでの今大会では、全国水平社創立100周年で明らかにした「決意」の具体化に向け、「全国水平社創立宣言の歴史認識に関する部落解放同盟の見解(案)」を示し、「部落差別解消推進法」具体化と強化・改正、人権の法制度確立、狭山再審闘争と鳥取ループ・示現舎裁判闘争への勝利など、運動方針を議論、決定した。
1日目は冒頭、元日に起きた能登半島地震の犠牲者を悼み、黙とうを捧げた。解放歌斉唱はおこなわず、山﨑書記次長のあいさつと組坂中執の「水平社宣言」朗読で開幕し、坂田かおりさん(鳥取)と深野良二さん(福岡)が議長団に選出された。
大会運営委員会と選挙管理委員会の紹介後、西島委員長が本部代表あいさつ。能登半島地震の犠牲者の冥福を祈り、被災者へのお見舞いをのべたのち、包括的差別禁止法の実現に向けた国連『包括的反差別法制定のための実践ガイド』や「全国部落調査」復刻版出版事件裁判・控訴審判決の「差別されない権利」の活用、狭山再審開始に向けた鑑定人尋問の実現、「部落探訪」削除裁判の勝利を強調し、2日間の論議をよびかけた。
来賓の祝辞を、政党からは、山口壯・自由民主党元環境大臣、石川博崇・公明党同和対策等人権問題委員会委員長、片山大介・日本維新の会参議院議員、福島みずほ・社会民主党党首、大島九州男・れいわ新選組参議院議員、共闘からは、清水秀行・日本労働組合総連合会事務局長、安藤京一・部落解放中央共闘会議議長(情報産業労働組合連合会中央執行委員長)から、それぞれ受けたのち、出席の来賓を紹介した。
石川さん夫妻のアピールで、一雄さんは「3次で終結させるため、勝利するため、11人の鑑定人尋問を実現するため、さらなるご支援を」と、早智子さんは「事件発生から61年、寺尾判決から50年。人間の尊厳の回復へご支援を」と訴えた。
大会運営委の辻岡龍閣・委員長が大会成立を報告後、議事に移行。報告事項については、1号議案の23年度一般活動報告を伊藤書記次長が、2号議案の23年度会計決算報告を藤本財務委員長が、3号議案の23年度中央会計監査報告を中原会計監査委員が、4号議案の23年度中央組織規律委員会報告を西藤組織規律委員長が、それぞれおこなった。提案事項については、第5号議案の24年度一般運動方針案を赤井書記長が、第6号議案の24年度会計予算案を藤本財務委員長が、それぞれおこなった。
六つの議案の報告・提案を受け、2分散会での討論をおこない、各都府県連の代議員からの質疑や地元のとりくみ報告などにたいし、中央役員が答弁した。
分散会後、各会場で役員選挙の投票をおこない、1日目を終了した。
全体会では、第2回となる「西光万吉文化・平和活動奨励賞」授与式もおこなった。川口正志・同賞実行委員長が、文化・平和の各部門で選ばれた各2団体のうち、出席した各1団体を代表表彰した。
2日目は、変則的な国会運営で1日目に出席がかなわなかった泉健太・立憲民主党代表の来賓あいさつで再開した。
第1分散会の繁田ひとみ・議長(大阪)、第2分散会の橋本貴美男・議長(兵庫)が、各分散会の討論内容について報告。そのあと、全体討論をおこなった。発言者は、大西信幸・代議員(京都)、西田吉志・代議員(大阪)、福本麻弥・代議員(兵庫)、南浦寿雄・代議員(奈良)、吉岡暁・代議員(福岡)、長谷川均・代議員(新潟)の6人。それぞれ本部の方針を補強する立場からの発言を受け、赤井書記長が本部答弁・集約をおこなった。
23年度の各報告、24年度一般運動方針案と予算案の採決では、いずれも可決された。第81・82期中央役員の選挙結果については、深田広明・選挙管理委員長が全員の信任を報告した。新役員を代表して西島委員長があいさつをおこなったのち、全体で大会スローガンを確認し、歯朶山中執が大会宣言案を提案、確認された。
閉会あいさつでは坂本副委員長が、2012年に中央役員就任後、14年から務めた副委員長を退任するにあたって感謝をのべ、「水平社宣言」から言葉を引いて第81期の運動への決意をよびかけた。西島委員長から花束が贈られると、会場からは大きな拍手が起こった。
西島委員長の発声で団結がんばろうをおこない、2日間の全日程を終了した。
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