「解放新聞」(2024.04.05-3097)
【埼玉】 被差別部落を撮影してインターネット上にさらす「部落探訪」(現・曲輪クエスト)の削除を求める埼玉訴訟(3086号既報)の第1回口頭弁論が3月13日午後、さいたま市のさいたま地裁第2民事部(関根規夫・裁判長)でおこなわれた。原告の池田三男さんと片岡明幸・埼玉県連委員長が意見陳述した。「部落探訪」と被告の悪質さを訴え、すみやかな削除と損害賠償を求めた。
被告は出席せず、▽現在は各記事の表題が変わっているから別の趣旨のもの▽削除しても内容や趣旨を変えて類似したウェブページを公開できるから原告らには訴えの利益がない▽被差別部落を特定していないなどとする「答弁書」を提出。差別情報の発信を続ける悪質な姿勢をあらわにした。
片岡県連委員長は、「被告は完全にひらきなおり、裁判に負けてもまた出してやるぞと言っているようなものだ。まったく反省していない」と市内の埼佛会館でひらいた報告集会で報告し、主催者あいさつ。差別意識をかきたて身元調査に悪用される差別情報を発信し続け、生活を脅かす被告の悪質さを訴え、支援をよびかけた。
集会には93人が参加。関東ブロックからも応援にかけつけた。山本志都・弁護士が裁判の内容を報告し、池田さんも、全国各地の「部落探訪」削除と、同様の行為が二度とできない法律制定への願いも込めた意見陳述書を報告し、決意表明。県議会議員、県人教、人企連、神奈川県連、東京都連から連帯あいさつを受け、小野寺一規・県連書記長の音頭で団結を固めた。
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