「解放新聞」(2024.05.15-3101)
「プロバイダ責任制限法」改正案が4月18日の衆議院総務委員会で全会一致で可決された。改正案はインターネット上の違法・有害情報への迅速な対応に向けて、削除などの対応で2週間以内の結果報告を含めた運用状況の公表を義務づけする内容が中心。附帯決議では、削除指針(ガイドライン)の策定、改訂などの支援をすすめる第三者機関の設置、通報に実績のある機関からの削除要請を優先的にすることの検討、中小事業者への支援などがとりあげられた。
質疑では、立憲民主党の吉川(よしかわ)元(はじめ)・議員が、インターネット上の人権侵害事案が深刻化していることから、迅速な対応が必要なことを強調。また、今回の改正案で対象となっている大規模事業者だけでなく、中小事業者への対応も必要であると指摘した。また、事業者が自主的に削除指針を策定することについて、それを支援するための第三者機関の設置を強く求めた。
松本剛明・総務大臣も、迅速かつ確実な対応が必要であることを認め、今後、事業者のとりくみ実績をふまえ、国としてガイドラインを示すことも検討することとした。また、中小事業者にたいしても法改正の趣旨の理解を求め、周知をすすめることなどを答弁した。
また、吉川議員は、EU(ヨーロッパ連合)各国の事例をとりあげ、実効ある措置をすすめるためにも、包括的統一的な差別撤廃に向けて、国内人権機関の設置を強く求めた。
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