「解放新聞」(2024.06.15-3104)
【福井】 福井県連は県と県内全17市町との意見交換会を5月14日午後、福井市内の県生活学習館でひらき、県連の山下敬太郎・委員長、河合徹・書記長はじめ執行部から5人と、中央本部から池田、大西両中執が出席した。県からは地域福祉課の田中丈博・課長、大西典宏・人権室長、教育庁生涯学習・文化財課の志尾武章・課長と、県内全市町から担当者が出席した。
これまでの県連と県の意見交換のなかで、市町行政でのとりくみの具体化に向けて、意見交換を要請し、実現したもの。県市町人権教育・啓発連絡協議会の担当者が出席した。
山下委員長は「行政の姿勢は法失効後に大きく後退してきた。一方で人権の課題は多様化し、住民の人権意識も高まっているなかで、しっかりとしたとりくみが求められている。部落問題も「部落差別解消推進法」が制定され、インターネット時代の部落差別情報への対応も重要。人権条例の制定も県と高浜町だけであり、県内全市町でのとりくみをすすめてもらいたい」と要請した。池田中執も「差別身元調査につながる戸籍や住民票の不正取得やインターネット上の差別情報の氾濫など、今日的な差別の実態をふまえたとりくみが必要」と強調した。
各市町から、人権条例については情報収集をすすめ検討していく考え方のほか、部落問題学習や本人通知制度の導入状況、モニタリングのとりくみなど、人権施策の現状についてそれぞれ報告があった。
意見交換では、河合書記長が「人権条例の制定は、部落問題学習をはじめとする人権教育・啓発の深化だけではなく、人権のまちづくりや観光といった行政課題にもつながるような広く捉えた検討が必要」と提起。山下委員長も「県の人権施策や計画をふまえて、市町のとりくみをさらに前進させてもらいたい」と要望した。
大西中執からは「住民の安心安全な生活を守るという視点からも人権条例の制定は重要な課題。人権条例を制定することで、そうした行政の姿勢を発信していくことにもなる。県や高浜町の条例を参考にしながら、県ともしっかり相談をしてとりくみをすすめてもらいたい」とまとめた。
最後に、田中地域福祉課長は「それぞれの市町のとりくみ報告をふまえて、県としても人権施策の推進に向けてとりくんでいきたい」とあいさつし、閉会した。
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