「解放新聞」(2024.06.25-3105)
不当逮捕から61年を迎えて、長い闘いを振り返ると、狭山事件は部落差別の結果であるとはいえ、偏に私の社会的無知が原因で長期化に及んだ事が最大の原因と思うと、全国の支援者皆様方にお願いばかりして大変申し訳ない気持ちで一杯です。
言うまでもなく、私には「あきらめ」という言葉はありません。仮出獄して30年近く社会生活を送ってきたとはいえ、61年前に私に着せられた冤罪を晴らすまで全力で闘います。
然しながら、私や弁護人の力だけでは狭山の勝利はなしえないので、ペンを持つことがとても辛いのですが、再度皆さん方におすがりせずには勝利もかないません。ペンを持つ手は重くとも、私はこの第3次再審に命をかけていることをご理解いただき、重ねてご協力を求めずにはいられません。
今回は弁護人による東京高裁第4刑事部の家令和典裁判長、裁判官へ、新証拠によって有罪判決はもはや維持できなくなっている状況、および事実調べの必要性を説明するプレゼンテーション等も実現しましたし、これまでの家令裁判長の文献等を読むと、証拠開示に前向きな発言等もあり、期待と希望がもてると評価しております。また、近く袴田巖さんの再審無罪判決が出され、捜査機関による証拠ねつ造が満天下に明らかになることは間違いないと思われ、これを大きな力にして、私の冤罪を晴らすために全力で闘う決意です。
袴田さんだけでなく、大崎事件、名張事件、三鷹事件、日野町事件など、私も含めた冤罪者の救済を一日も早く実現するために、再審法改正、刑事訴訟法の改正も急務であります。
この第3次再審闘争において、再審無罪を勝ち取る、との石川一雄の最後の願いを叶えてくださいますよう、皆様方の最大限のご協力のほど、心から願っております。
2024年5月
狭山支援者各位
石川 一雄
石川さん夫妻のビデオメッセージはこちらから
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