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「部落探訪」削除で本訴 〜大阪府内の全地区対象に
大阪

「解放新聞」(2024.07.25-3108)

入廷する赤井隆史・大阪府連委員長(前列中央)、弁護団、支援者ら(7月8日・大阪市)

入廷する赤井隆史・大阪府連委員長(前列中央)、弁護団、支援者ら(7月8日・大阪市)

 【大阪】 「部落探訪」(現在は「曲輪クエスト」を自称)サイト上にさらされている大阪府内被差別部落の画像や動画を削除するよう求めた大阪訴訟では5月1日、大阪地裁が鳥取ループ・示現舎にたいし写真・記事の削除、削除対象の記事・写真の「ウェブサイトへの掲載、書籍としての出版、出版物への掲載等の一切の方法による公表」も禁じる仮処分を命じた(大阪地裁第1民事部(井上直哉・裁判長)。3102号既報)。大阪府連と本仮処分申立人である男性は、鳥取ループ・示現舎にたいし7月8日、原告男性の居住地区だけでなく府内の全被差別部落をさらすウェブサイト上の全ページ削除と、計1100万円の損害賠償などを求め、大阪地裁に提訴した。

 提訴後の記者会見には、個人原告の男性、原告の大阪府連を代表して赤井隆史・府連委員長、原告代理人弁護士の計5人が出席した。中井雅人・弁護士は、6月末時点で367か所に及ぶ全国の被差別部落が、地名、団地名、表札、車のナンバープレートや墓石などをさらされ、被差別部落の検索を容易にしている深刻な現状を説明。「曲輪クエスト」では、大阪府連支部がない地区、未指定地区を含む府内36地区の40ページ、有料サイト「JINKENN./TV」でも同様に府内25地区の25ページの全削除を求める、とした。南和行・弁護士は、原告として名乗り出ればさらに差別被害を受ける可能性があり、1965年に「同対審答申」が差別解消を国の責務としたにもかかわらず、個人では差別解消を求める裁判も闘えない状況で、個人の差別されない権利が寄託された部落解放同盟に固有の差別されない権利が認められるべき、と解説。小野順子・弁護士は、インターネットサイト上の人権侵害にたいする闘いに先鞭をつける裁判に、とのべた。赤井委員長は、支部の有無にかかわらず差別を受ける可能性がある府内全地区を対象に闘うことを強調。原告男性は、仮処分決定に従った被告は、その後も撮影した部落をさらしており、司法は法的不備を問われている、とのべた。

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