「解放新聞」(2024.09.15-3113)
【大阪支局】 府連は8月5日、大阪府との基本交渉を大阪市の国民会館でおこない、赤井隆史・府連委員長はじめ執行部と各支部代表が参加。府からは山口信彦・副知事はじめ関係部局職員が出席した。ネット上の差別・人権侵害にたいするとりくみ、戸籍などの不正取得対策、あいつぐ部落差別事件をふまえた差別事象調査、就職差別の実態把握などについて府の姿勢を問うた。
髙橋定・府連書記長が要望書の主旨を説明。府から、▽同和地区の所在地など人権侵害情報について、改正「条例」にもとづく積極的な削除要請、説示・助言、国への提案をおこなう▽「情報流通プラットフォーム対処法」の政省令、運用状況などを注視し、大手プラットフォーム事業者への働きかけを検討する▽ネット上の誹謗中傷相談窓口「ネットハーモニー」が被害者への相談・助言をおこなったあとも削除されない場合、府が削除要請や発信者への説示・助言をおこなう▽就職差別に関しては、問題事象の把握などに努め、国にも政策を要望していく、などの回答があった。
府連からは、モニタリング活動の重要性をあらためて指摘、府内すべての自治体で統一したとりくみができるような仕組みづくりなどを求めた。
【愛知支局】 部落解放愛知県共闘会議は6月11日、名古屋市交渉を市庁舎でおこない、岩坂健裕・議長はじめ各労組幹事が参加。市からは杉野みどり・副市長はじめ関係部局職員が出席した。
交渉では、部落差別解消を柱にさまざまな人権課題を包摂した、実効性のある条例の制定を求めた。
市は、条例について今年度は三重県と大阪府の調査を予定と報告。土地購入関係の部落差別への「条例」適用の経緯など、ヒアリングし、効果・課題などを参考に検討したいとした。また、名古屋城バリアフリーに関する市民討論会での差別事案の検証委が、再発防止にとりくむべき事項に「人権全般に関する包括的で実効性のある条例」を中間報告しており、最終報告をふまえる必要がある、とした。
就職差別撤廃のとりくみでは、不適切事例が高等学校の「受験結果報告書」では47件、名古屋市立大学では「不適切事案はなかった」と回答。県共闘は、学生、企業ともに就職差別についての認識がないと表面化しないと指摘し、「危機感をもって一歩踏み込んだとりくみを」と求めた。
このほか人権教育・啓発や個人情報保護、「困難女性支援法」、食肉・皮革・レンダリング産業の課題などで問題提起した。
【広島支局】 就職差別撤廃に向けたとりくみの強化を求めて、部落解放広島県共闘会議が7月10日、県、県教委、広島労働局に要請行動をおこなった。
昨年の連合による「就職差別に関する調査」結果で差別につながる実態が少なくないこと、違反質問に関する面接官の認識が深まっていないことをふまえてとりくんだもので、高橋克浩・議長はじめ5人が参加。櫻河内知子・県雇用政策課長、竹森潤一・県教委秘書広報室長、細木誠・広島労働局職業対策課長らが対応した。
広島労働局が高校生を対象に集計した「就職差別につながるおそれのある事象」について、2022年度、2023年度ともに件数がきわめて少なく、実態が反映されていないことから、要因として①学校現場で、「何が就職差別につながる質問か」を生徒に徹底する授業がおこなわれていない②学校で「就職者対象受験報告書」提出も徹底されていない、また県教委も学校まかせで集約していない、などを指摘。厚労省の大学生、短大生、専門学校生にたいするアンケート結果などをふまえた充実したとりくみを求めた。
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