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「解放へのオガリ」像の完成祝う 〜沖縄・読谷の金城実さんアトリエで

「解放新聞」(2024.11.15-3119)

子どもを抱き顔を上げて力強く腕を伸ばす「解放へのオガリ」像(10月26日・沖縄県読谷村)

子どもを抱き顔を上げて力強く腕を伸ばす「解放へのオガリ」像(10月26日・沖縄県読谷村)

 「解放へのオガリ」像完成披露祝賀会が10月26日午後、沖縄県読谷村よみたんそんにある金城実さんアトリエ横でひらかれた。フランスや国内各地から130人が集い、金城実さんと縁の深い部落解放同盟大阪府連の住吉支部、浅香支部、松原支部などが参加した。

 オガリ像は、1977年、大阪市・住吉解放会館外壁に設置された高さ12・3メートル、幅7メートルの母子像だ。建物解体にともない2018年5月、制作者・金城実さんのアトリエ横(沖縄県読谷村)に移送された。オガリ像の背面には、「水平社宣言」原文、琉球語訳も掲げられた。

 祝賀会オープニングは、読谷村出身の与那ユウさんによるライブ。その後、真宗大谷派沖縄開教本部による落成法要がおこなわれた。

 第一部は、関係者のあいさつ。祝賀会実行委員長の輿那覇(よなは)徳雄さんは、チビチリガマ遺族会の会長でもあり、金城実さんと一緒にチビチリガマ再建で「世代を結ぶ平和像」も創りあげた。オガリ像設置の経過やお礼とともに、「このオガリ像が平和と人権を訴える力強いモニュメントになるでしょう」とのべた。

 事務局長の服部良一さんは、設置までの経過をふまえ、今後について語った。現在、2025年に完成をめざして、「金城実アトリエ」を整備工事中で、「歴史を学び、差別について考えることのできる場となるよう、後世に残していきたい」と。鎌田慧さんは、金城実さんの作品「三里塚の農民像」のエピソードを。弁護士の丹羽雅雄さんは、「日の丸」闘争など沖縄や人権闘争と自身との関わりを。フランスからのコリン小林さんは、金城さんの作品をパリの国立東洋言語文化学院の美術館に寄贈した話を。オガリ像を送り出した大阪市の住吉支部からは、支部長の友永健吾さん、識字学習者の木本久枝さん、(公財)住吉隣保事業推進協会理事長の友永健三さんが語った。住吉の人たちにとって心のよりどころだったオガリ像が読谷村に再建された姿を見て、オガリ像にとって新しい人生が始まった、と感慨深かったという。

 知花昌一さんも登場。おりしも、10月26日は、知花さんが「日の丸」を焼き捨てた日でもあったと紹介した。

 第二部は、海勢頭豊さん、照屋正雄さんらによるライブ。大阪市の浅香支部のあいさつにより中締め、最後に集合写真を撮った。

 祝賀会後は、それぞれアトリエで、金城実さんを囲んで、制作当時のことなど、尽きない話をかさねた。

 26日午前中には、来賓を含む関係者らが読谷村にある金城実さんの作品「残波大獅子」「恨の碑」「世代を結ぶ平和像」を訪ねた。金城実さんみずから、制作にあたってのエピソードや部落解放運動や「水平社宣言」との出会いを語った。

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