「解放新聞」(2024.12.15-3122)
部落解放研究第57回全国集会を11月19、20日に神戸市の神戸国際展示場コンベンションホールを主会場にひらき、37都府県から3373人が参加した。
集会テーマは「阪神・淡路大震災30年、戦後80年にむけて、人権・平和・環境の確立と、いのちを守る協働・共生の取り組みを強化し、社会連帯を実現する部落解放運動を大きく前進させよう!」。新たな政治情勢をふまえながら、部落差別をとりまく厳しい状況とさまざまな人権課題について学びを深め、とりくみ課題を共有した。主催は部落解放研究第57回全国集会中央実行委員会。
全体会での記念講演、地元報告のほか、2日目には部落解放行政や狭山第3次再審闘争の課題など五つの分科会と「港町神戸と被差別部落」、「神戸長田の在日コリアンの歴史を歩く」の二つのコースのフィールドワークもおこなった。
全体会では、中央実行委員会の小林美奈子・事務局次長(部落解放中央共闘会議事務局長/日本教職員組合書記次長)の開会あいさつに続き、西島藤彦・中央実行委員長(部落解放同盟中央執行委員長)が主催者代表あいさつ。西島実行委員長は、インターネット上をはじめ、部落差別の状況をのべながら「情報流通プラットホーム対処法」を実効性あるものに、と提起。また国内人権委員会の創設をはじめ、人権の法制度確立に向けたとりくみを強化しようと訴えた。
つづいて現地実行委員会の坂本三郎・実行委員長(兵庫県連執行委員長)があいさつし、「部落差別解消推進法」の具体化に向けた県内での自治体条例施行など、実践を報告しながら活発な討論と学びの共有をとよびかけた。
来賓出席者のうち、服部洋平・兵庫県副知事、今西正男・神戸市副市長からあいさつを受けたあと、来賓紹介、中央実行委員会加盟団体・協力団体の代表が紹介された。全体会の司会は実行委員会の伊藤満・事務局次長(部落解放同盟中央書記次長)が務めた。
記念講演は、「誰もが暮らしやすい社会であるために」〜フル・インクルージョンをめざして〜として、内閣府障害者政策委員会委員の玉木幸則さんがおこなった。NHKEテレ「バリバラ」にご意見番として16年にわたって出演してきた玉木さんは、みずからの歩みをふり返りながらインクルーシブ教育や、国連子どもの権利条約、社会に根強くある優生思想などをキーワードに、地域のなかにいろんな人がいることが当たり前だとする「ともに生きる社会―協働する社会」の実現を、と語った。
地元報告は「阪神・淡路大震災から30年を迎えるにあたって 2024・能登半島地震から学ぶ(1・01〜1・17へ)」として被災地NGO協働センター顧問でCODE海外災害救助市民センター理事の村井雅清さんがおこなった。石川県内の孤立地域への支援状況なども交えながら被災当事者と被災地ボランティア活動をとりまく状況について報告した。
(次号に詳報を予定)
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