世界人権宣言中央実行委員会は昨年12月10日午後、世界人権宣言76周年記念東京集会を東京・全電通労働会館でひらき、４２１人が参加した｡杉山文野さん(株式会社ニューキャンバス代表／ＮＰＯ法人東京レインボープライド理事）を講師に「性の多様性と人権を考える」をテーマに学習した。

　杉山さんは、トランスジェンダーである自身の生い立ちをとおしてセクシャルマイノリティの人たちの人権をめぐる課題を報告。差別がまん延し「根拠のない罪悪感で自分を責め続けるような毎日」「手本になる大人、ロールモデルがなく、自分がどういう大人になるか、まったく想像がつかない日々」のなかから、高校時代にしたカミングアウトを大きな転機に自己肯定感を少しずつ取り戻してきた体験も紹介し、多様でグラデーションのある性のあり方についての基礎知識や、婚姻の平等（同性婚）、職場での差別禁止の明文化など今後の課題も提起した。30周年を迎えたプライドパレードや、渋谷区から全国に広がったパートナーシップ制度も紹介し、「ありのままに安心してすごせる職場、社会を」と訴えた。

　主催者あいさつは、服部雅幸・副実行委員長（東京人企連理事長）。来賓あいさつは小池百合子・都知事（代読、若林和彦・都総務局人権部長)｡閉会あいさつは我孫子高宏・事務局次長（「同宗連」事務局長）がおこなった。司会は、関優・東京人企連専務理事。

　第３回みんなの人権・映像フェスティバル（主催・世界人権宣言大阪連絡会議）の優秀賞２作の上映もおこなった。