「解放新聞」(2025.2.5-3127)
【大阪】 大阪府八尾市内を拠点に活動するNPO法人トッカビが昨年11月22日夜、市内の八尾市プリズムホールで50周年記念式典と記念イベントをおこなった。会員や支援者、行政や教育関係者、卒業生らを中心に150人が集い、50年の歩みをふり返り、今後への期待を共有した。
差別に直面し荒れることも多かった在日コリアンの子どもたちが、自身のルーツを学び民族的自覚と誇りを育める場をと、1974年10月、「トッカビ子ども会」が立ちあげられた。民族教育にとどまらず、指紋押捺拒否や郵便外務職国籍条項撤廃などにもとりくんだ。その後、中国人やベトナム人の増加を背景に、広く外国ルーツの子ども・保護者を対象とし、2002年にはNPO化、08年には「トッカビ」に名称変更し、地域で多文化共生をめざす活動をおこなってきた。
第1部の記念式典では、朴洋幸(パクヤンヘン)・代表理事が開会あいさつ。「トッカビがあったから不登校にならなかったかも」「トッカビに行くと堂々としていいんだと思える」「差別やいじめが普通じゃないことを教えてくれた」「何かあれば帰ってこれる場」といった卒業生の声を引き、そうした場であり続けるとともに、外国ルーツで当たり前に生きられる、差別のない社会への変革をめざし、ポスト50年に向け活動したい、と語った。トッカビ50周年スライド上映後、来賓代表で大松桂右・八尾市長が祝辞をのべた。
第2部は、記念イベント「トッカビ ワッタ ガッタの50年を祝う集い」。田中誠太・元八尾市長はじめ多くの支援者がお祝いのあいさつ、村井康利・大阪府連副委員長、笠原辰司・安中支部書記長、岡知彦・西郡支部長らも参加。韓国、中国、ブラジル、ベトナムの手作り料理を囲んで歓談するなか、トッカビ参加者らによる民族舞踊やKPOPダンスのほか、サムルノリ演奏などが披露された。「トッカビ」は朝鮮の伝説や民話に出てくる、強く怖いがユーモラスな怪物、「ワッタ ガッタ」は日本語の「行ったり来たり」を意味する。
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