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NEWS & 主張

文化祭パネル展通して現実訴え
香川

「解放新聞」(2025.2.15-3129)

多くの参加者が展示を見学した(2024年11月15日・高松市)

多くの参加者が展示を見学した(2024年11月15日・高松市)

 【香川支局】 高松市田村文化センターは昨年11月15、16日に「学ぼう人権 なくそう偏見 〜未来へ開こう 心のとびら〜」をテーマに文化祭にとりくみ、のべ2345人が来館した。2日間にわたって、センターでの講座受講者作品展示のほか、保育所、小・中・支援学校児童生徒・教職員の作品も展示。ステージでは、地元中学校の人権学習授業実践も紹介した。

 また、今文化祭では特設展示「知ることから始めよう! 水俣病の今」も実施。特設展示は、水俣病問題にとりくんできた県隣保館連絡協議会の職員が相思社のスタッフを招き、県内で講演会を開催したことをきっかけに展開。公式確認から68年にわたる被害当事者の闘いの歩みなどを、センター職員の作成パネルや年表で紹介した。水俣病被害当事者の語りを紹介する映像鑑賞コーナーもつくったほか、水俣病歴史考証館の運営や被害当事者の相談支援にとりくむ水俣病センター相思社についても、写真などを多用して紹介した。展示作成には、丹念な資料収集などでおよそ3か月をかけた。

 水俣病被害当事者として紹介された熊本県内在住の藤枝静香さんが、文化祭開催に先立ち11月13日に田村文化センターを介助者とともに訪問。展示を観覧したのち、センター職員らと交流した。藤枝さんは胎児性水俣病認定を却下され、現在不服申し立てをおこなっており、ともに患者申請をおこない却下された母親の直筆のメモなどの遺品も展示した。特設展示のパネルなどを活用しながら、水俣病当事者にたいする差別や偏見が現存していることを当事者の語りや資料などから紹介し「水俣病はまだ終わっていない」と語りかけた。また相思社の活動を支援しようと水俣産のみかんをつかったジュースなどの販売もおこなった。文化祭は1982年から地元自治会や、田村子ども育成会、地区内と隣接する保育所、小・中・支援学校などの協力を得ながら開催し、昨年36回目の開催となった。

 田村文化センターでは、通常業務のなかでもつながりを啓発活動に生かそうと、市内教職員や企業を対象に現地研修会や出前授業を実施。地域の歴史や部落差別の現実も訴えている。

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