pagetop

NEWS & 主張

人と街つなぐ隣保館マルシェ 〜震災30年でパネル展
兵庫

「解放新聞」(2025.03.05-3131)

「朝来の肉飯」や手作りキムチ、パンなどが並んだ(2024年12月5日・神戸市)

「朝来の肉飯」や手作りキムチ、パンなどが並んだ(2024年12月5日・神戸市)

 【兵庫】 2024年度第20回全国隣保館連絡協議会近畿ブロック・第27回兵庫県隣保館連絡協議会女性職員研修会with隣保館マルシェが昨年12月5日、神戸市内の兵庫県立のじぎく会館でとりくまれた。

阪神・淡路大震災当時の隣保館活動をパネルでふり返った

阪神・淡路大震災当時の隣保館活動をパネルでふり返った

 隣保館マルシェは「人と人、地域つながる街づくりイベント」として6年ぶりに開催し、パネル展示「阪神・淡路大震災から30年―隣保館がつむいだ絆」や、「食べてみて 買うてみて」コーナーでは販売もおこなった。主催は県隣協と全隣協近畿ブロック協議会。

 女性職員研修会では、「現在も残る入居差別の実態」として、ひょうご部落解放・人権研究所研究員で関西学院大学非常勤講師の北川真児さん(兵庫県連書記次長)と関西学院大学職員の金サランさんが報告。北川さんは、「「土地差別」問題を考える」をテーマに被差別部落への忌避意識やみなし差別について、県内での意識調査の分析や差別事件などをあげながら解説。「いまは当事者からしか見えない、見えにくくなっている差別を可視化するのは教育・啓発」と強調。当事者を泣き寝入りさせない仕組み、社会の実現へ「差別は社会悪だ」という認識がいっそう大事、と語った。

 金さんは自身とパートナーが受けた入居拒否について経過を報告。「誰しもマイノリティ性とマジョリティ性をあわせ持っているが、マジョリティ性を持つ当事者として、差別や抑圧の構造に気づいてほしい。私自身も向き合って構造を変えていきたい」と思いを語った。報告後には地域住民との関わりや自身の体験などについて参加者からの発言もあり、問題意識を深めた。

郷土料理の販売も

 隣保館マルシェでは、震災当時400人におよぶ地区内外からの住民が避難生活をおくった芦屋市上宮川文化センターの活動を写真で紹介。「食べてみて」コーナーでは兵庫県連枚田岡(ひらたおか)支部が「朝来(あさご)の肉飯」、神戸朝鮮初・中級学校オモニ会が「トック(朝鮮のお雑煮)」などを販売し、盛況だった。同日には県人権啓発協会などが主催の「人権のつどい」も開催された。

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)