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NEWS & 主張

共生社会の実現を 〜差別と排除の現実から
2・11各地の取り組みー滋賀ー

「解放新聞」(2025.03.15-3132)

140人が参加し、思いを共有した(2月11日・滋賀県大津市)

140人が参加し、思いを共有した(2月11日・滋賀県大津市)

 【滋賀】 「第20回平和・靖国・憲法・教育・人権そして貧困を考える これでいいのか日本!2025\ 滋賀集会」が2月11日午後、滋賀県大津市内の解放県民センター光荘でひらかれ、140人が参加した。

 主催は同集会実行委員会。「戦争をさせない1000人委員会・しが」などが後援した。

 昨年6月刊行の『地震と虐殺 1923―2024』(中央公論新社)で関東大震災直後と、それ以前を含めた朝鮮人虐殺の実像と、今日まで差別と排除の意識を引きずり続けている社会を描いたノンフィクションライターの安田浩一さんが「差別と排除の現場を取材して〜「排除する社会」を「共に生きる社会」にしていくために〜」と題して講演した。

 谷川俊太郎作詞の「死んだ男の残したものは」など、3曲を披露した鳥井新平さんらによるオープニング・ミニコンサートのあと、実行委を代表して谷村徳幸・実行委員長があいさつ。昨今、行政や企業が強調する「インクルージョン」を引用しながら「私たちは虐げられ、さまざまな居場所から排除された人々の視点から共生社会の実現を考えたい」と問題提起した。

 滋賀県内の技能実習生が置かれた実態を取材した経験を語ることから講演をはじめた安田さんは、在日コリアンの人々へのヘイトスピーチ・ヘイトクライム、埼玉県南部のクルド人を標的にインターネット空間、とくにSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)と連動するなかで暴力性が強化される差別・排斥、関東大震災の朝鮮人虐殺をはじめとする歴史の否定について、取材のなかで拾いあげてきたマイノリティの声を交えながら語った。さまざまなヘイトスピーチ・ヘイトクライムの現場に身を置きながら「差別を受けている人を「沈黙においやる自由」は誰にもない」と考え続けてきた、とのべながら、人―地域―社会を壊す差別を断ち切るために私たちは何ができるか、と参加者に問いかけた。

 講演のあとには参加者から、民族差別や障害者差別、まちづくり、ネット上の差別の拡散などさまざまな発言があり、安田さんもそれぞれに答え、思いを共有した。

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