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主張

 

狭山のとりくみをすすめ、寺尾判決52年の東京の市民集会に結集しよう

「解放新聞」(2026.10.15-3190)

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 9月3日、第4次再審請求の第6回三者協議がおこなわれ、東京高裁第4刑事部の前田巌・裁判長、主任裁判官ら3人、東京高検の担当検察官3人、弁護団から8人の弁護人が出席した。この日は、東京高検の検察官がプレゼンテーションをおこなった。前回、弁護団がおこなったのと同様に、法廷でパソコンを用いて写真等をモニターに表示しながら、裁判官にたいして、狭山事件の第4次再審請求における弁護団の主張について「反論」をのべ、検察官がこれまで提出した意見書の主張内容の説明するものだ。具体的には、筆跡、足跡、スコップ、血液型、鞄、万年筆、腕時計、自白(殺害方法)等の論点に関わって、弁護団提出の新証拠について、有罪判決や上告棄却決定、これまでの再審請求の各棄却決定で、すでに判断されており、新規性がないか、もしくは再審の理由となる明白性がない(無罪を言いわたすべき明らかな証拠といえない)として、証人尋問をおこなう必要もなく、再審請求を棄却すべきと主張した。

 62年も無実を叫びながら雪冤(せつえん)を果たせないまま、無念のうちに急逝した石川一雄さんの遺志を継いで、昨年4月4日に、石川早智子さんが第4次再審を申し立てて1年半になる。弁護団は、278点の新証拠を提出し、有罪判決の誤りを明らかにして再審開始を求めるとともに、事実取調請求書を提出し、鑑定人11人の証人尋問、とりわけ、筆跡、万年筆、自白(法医学関係)について、鑑定人4人の証人尋問をまず実施するよう求めている。

 これにたいして検察官は、今年3月31日に、筆跡・脅迫状をはじめ、血液型、足跡、スコップ、目撃証言、鞄、万年筆、自白(法医学関係)など、弁護団が提出した新証拠、主張すべてにたいして、鑑定人の証人尋問の必要性はなく、すみやかに再審請求を棄却すべきという意見書(150ページ)を提出している。

 検察官は、第3次再審請求で、弁護団の新証拠全般にわたって「反論」する総括意見書(325㌻)を提出している(2022年7月)。また、個々の論点(弁護側の新証拠)について、「反論」の検察官意見書と多数の証拠(専門家による鑑定書、意見書、捜査報告書等)を提出している。

 検察官は、これら第3次再審請求で提出した意見書と証拠をすべて、あらためて第4次再審請求で提出し、さらに、前述のように、今年3月31日に、第4次再審申立書への反論として意見書を追加し、これらを今回のプレゼンテーションでも援用している。

 弁護団は、今後、今回の検察官のプレゼンテーションもふまえて、これら検察官意見書にたいして、全面的に反論し、鑑定人の尋問の実施、再審開始を東京高裁第4刑事部に求めていくことにしている。次回の三者協議は12月中旬におこなわれる予定だ。

 わたしたちは、石川早智子さんによる第4次再審を全力で支援し、狭山事件の再審開始、無罪判決を実現し、なんとしても石川一雄さんのえん罪を晴らさねばならない。石川一雄さんがえん罪を訴えて63年、確定判決となっている不当有罪判決(東京高裁・寺尾判決)から52年、最初の再審請求から49年にもなるが、証人尋問などの事実調べは一度もおこなわれていない。

 前田裁判長のもとで、鑑定人の証人尋問が実施され、再審開始が実現するよう、各地で狭山第4次再審闘争勝利に向けた集会や街頭宣伝にとりくみ、世論を大きくしていこう。鑑定人尋問実施・再審開始を求める市民の声を東京高裁第4刑事部に届けるために、新100万人署名運動を全力ですすめよう。

 東京高裁の不当有罪判決から52年を迎えて、10月29日には、狭山事件の再審を求める市民集会が東京・ニッショーホールでひらかれる。全国から結集するとともに、各地でも集会や街頭宣伝、署名活動にとりくもう。

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 さる7月17日、参議院本会議で、「刑事訴訟法」の一部改正(いわゆる「再審法」改正)についての政府提出法案が可決、成立し、7月24日に公布された。

 超党派の「えん罪被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟」は、検察官抗告の全面禁止(廃止)、再審請求人への直接かつ限定のない証拠開示命令の規定が明記された「再審法改正法案」を昨年5月にまとめ、わたしたちは、この議連法案による「再審法」改正を求めた。しかし、議連法案は、先の国会で中道改革連合など野党3党によって再提出されたが、与党などによって否決され、また、衆議院では中道改革連合と国民民主党それぞれから、参議院では立憲民主党、公明党から、検察官保管証拠の一覧表を再審請求人側へ開示する規定を加えることなど、政府案にたいする修正案も提出されたが否決された。「再審法」改正を訴えつづけていた石川一雄さんの遺志を継いで第4次再審請求を闘う石川早智子さんは、国会前で訴え、衆参の法務委員会を傍聴し、国会請願デモで直接、国会議員に真の「再審法」改正を訴えた。国会請願署名は4か月あまりで15万筆を超え、えん罪被害者、当事者やわたしたちは議連法案の実現、政府案の修正を求めたが実現せず、きわめて残念な結果となった。

 今回成立した「改正再審法」は、検察官の再審開始決定にたいする不服申し立て(抗告)を原則禁止する条文が入ったが、えん罪被害者、再審請求にたいする証拠開示の保障という意味では、まったく不十分なものであり、これまでよりも実務で後退する懸念もある。

 具体的には、①今回新設された裁判所への証拠提出命令制度は、「関連性」「必要性」があると認めるときに、裁判所が証拠を裁判所へ提出するよう命じるという制度であり、再審請求人・弁護人への幅広い証拠開示を保証するものではない②裁判所が再審請求人・弁護人が求める証拠を請求人へ開示するよう命じる権限が条文に明記されていない。自民・維新・参政の修正案で入った附則では、裁判所による開示勧告や検察官の任意開示は「運用」とされており、これまでより後退するおそれもある③検察官がどのような証拠を持っているのか再審請求人・弁護人がわかるようにするための証拠一覧表(証拠リスト)の提出・交付が認められていない④証拠の目的外使用禁止規定があらたに設けられ、支援運動、報道への提供など弁護活動、支援活動への妨げになる、など、証拠開示に関して多くの問題点を残している。

 また、「十分な根拠」があると検察官が判断すれば、再審開始決定にたいして検察官が抗告できる例外規定が設けられ「検察官抗告の原則禁止」が骨抜きにされかねないとの懸念もある。法律の附則には「5年ごとの見直し」が規定されており、わたしたちは、「改正再審法」の問題点を訴え、狭山第4次再審勝利に向けたとりくみと結びつけて、今後も、真にえん罪被害者のための「再審法」改正を求めていく必要がある。具体的には、①再審請求人・弁護人への直接証拠開示②裁判所の所見による幅広い証拠開示命令③開示証拠の目的外使用禁止規定の撤廃④証拠リストの開示⑤検察官の不服申し立ての全面禁止(450条2項の例外規定の削除)などの法制化を求めていこう。

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 映画『SAYAMA みえない手錠をはずすまで』(2013年)の金聖雄監督の新作映画『うそがほんとに ほんとがうそに』の全国での劇場上映が始まる。この映画は、狭山事件の石川一雄さん、石川早智子さん、袴田事件の袴田巖さん、袴田ひで子さんを主人公に、これまで撮影された映像を再構築し、86年の生涯をかけてえん罪と闘い続けた石川一雄さんの姿、その遺志を継いだ石川早智子さんの姿を追ったドキュメンタリー映画だ。いまもえん罪との闘いが続く狭山事件について、一人でも多くの市民に知ってもらうように映画の宣伝をしてほしい。また、各地での自主上映会もよびかけられている。証人尋問の実施・再審開始実現に向けて、狭山第4次再審闘争、新100万人署名運動と結びつけて、各地で上映運動をすすめよう。

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