特別抗告審の新たな取り組み強化を
民主党、連合・中央共闘、同宗連があいついで取り組み

証拠開示ルール化など検討するワーキングチーム設置
民主党が狭山学習会

 民主党は、二月にひらいた狭山問題小委員会で、狭山事件の異議申立棄却決定で事実調べも証拠開示もないままにふたたび再審の訴えがしりぞけられたことについて、中山弁護士、齋藤保・指紋鑑定士の問題提起を受け、今後、司法改革とも結びつけて、証拠開示、事実調べなど再審のルール確立にむけて国会質疑や刑訴法改正の検討などに取り組むことを確認した。
それをうけて、三月二十七日に院内で学習会を開き、庭山英雄・弁護士(前専修大学教授)から「再審事件における証拠開示と刑訴法改正の課題」と題して講演を受けた。この学習会には衆参の国会議員二十人(代理ふくむ)が参加し、活発に意見交換がおこなわれた。部落解放同盟からも高橋書記長、片岡中執が出席した。
 また、党のネクストキャビネット内に「刑訴法改正に関するワーキングチーム」(座長に佐々木秀典・衆議院議員、事務局長に山内功・衆議院議員)を設置、さらに勉強会等を積み重ね、具体的に検討をすすめることにしている。


連合と中央共闘が現地調査今後の取り組み強化を確認
齋藤さんの講演・実験も

 連合(日本労働組合総連合会)と部落解放中央共闘会議は、四月四、五日の両日にわたって、狭山市内で狭山事件の学習と現地調査をおこなった。この取り組みは連合の人権問題の取り組み強化の具体化の一環として中央共闘とともに実施したもの。今回の狭山現地調査には、中央共闘加盟の中央単産と連合中央の呼びかけではじめて地方連合が参加し、全体で三十人の参加があった。
 第一日目は狭山市内のホテルで学習会がひらかれ、開会あいさつで、連合の高橋由雄・副事務局長(中央共闘副議長)は、「狭山事件は一月に異議申立の棄却をされた。この事件は当局の差別が生んだえん罪であり、司法への信頼を揺るがすものだ。今回の成果を連合での差別撤廃・人権擁護の取り組み強化の糧にしたい。」とのべた。
 中央共闘の浅見清秀・事務局長は、「現地を歩けば石川さんの無実はあきらかだ。再審無罪をかちとるには証拠の開示も必要。取り組みを強めたい」と訴えた。
 部落解放同盟中央本部からは、組坂繁之委員長があいさつし、さらなる支援を訴えた。
 学習会では、狭山事件の概要、闘いの現状と課題について部落解放同盟中央本部の片岡明幸中執が報告、その後「ザ・スクープ」(テレビ朝日の報道番組)のビデオを見た。つづいて、元栃木県警鑑識課員で指紋鑑定士の齋藤保さんが講演と指紋検出実験をおこなった。 
 二日目は富士見集会所で、石川一雄さん、早智子さんからあいさつを受けたあと、自白の経路を中心に現地調査をおこなった。
 今回の参加者は八割ほどがはじめての参加であったが、なかには九回目という人や二十八年ぶりの現地調査という参加者もいた。最終日のまとめで、高橋・連合副事務局長は、「地方連合がはじめて参加した。真実を地域のなかにひろげ、さらに運動を全国にひろげていこう」とのべ、連合として中央共闘と連携した狭山の取り組み強化を確認した。

「同宗連」が狭山独自集会石川さん夫妻も訴え
最高裁特別抗告支援集会

 四月十二日、「『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議」(「同宗連」)は、東京・曹洞宗檀信徒会館で、第二二回総会をひらくとともに、総会終了後に「同宗連」狭山事件最高裁特別抗告支援集会をおこなった。この同宗連独自の狭山集会には百七十九人が参加した。
黒柳祖道・同宗連議長は冒頭、「狭山事件にたいするとりくみは同宗連の結成以来、重要な柱としてきた。度重なる現地調査を通じ、無実を確信している。さらにとりくみをすすめよう」とよびかけた。
 つづいて、狭山再審闘争の現状報告を高橋正人・部落解放同盟中央本部書記長がおこない、この間の情勢を説明。部落差別にもとづくえん罪事件の原点と異議申立棄却決定の不当性、証拠開示、事実調べー再審の実現に向けた特別抗告審のとりくみを訴えた。
また、齋藤保・指紋鑑定士が講演をおこない、裁判所に提出した四通の鑑定の内容について説明。「私の鑑定結果は科学的事実。独断などといって退けるやりかたは通用しないはず」とのべた。
最後に石川一雄さんと早智子さんがあいさつ。一雄さんは、「棄却決定を聞いた直後は体調を崩してしまったが、支援を受けていままた全国をまわっている。証拠を出させるのも、事実調べをさせるのも、みなさんの声にかかっている。元気で闘うので、支援と指導をお願いしたい」と訴えた。
また、早智子さんは、「死刑判決から三十八年、えん罪をはらすためだけに一雄さんは生きてきた。心から笑える日は、三十九年間一度もない。見えない鎖がある。しかし、元気で無実の声を聞くという夢と希望があるから闘える。いま全国から支援の風がふいている。その風を大きくしていただきたい」と語った。
再審と証拠開示を求める決議を採択し、今後も再審に向けたとりくみをすすめていくことを確認し閉会した。