2003年石川一雄さんメッセージ
進むべき道は1点−えん罪を晴らす

「解放新聞」(2003.01.13-2102)

 花咲か爺や枯れ木に花という諺が辞典にもありますが、狭山裁判だけは、沢山の「無実」という証拠の「実」があるのに、どうして咲かせることができないのか、特に昨年はそのことを考えさせられた一年でありました。多分今年も自分の心の中では結論が出ない儘、訴え活動を続けて行くことになるでしょうが、私が常に思う事は、四十年前と今とでは医学も科学も格段に進歩している筈だし、だからこそ三次元スキャナという機械の開発によって足跡鑑定ができ、脅迫状の疑問、そして「少時様」の「少時」もボールペンではなく万年筆ないし付けペンで書かれていることなどが判明したのであります。にも拘わらず司法はそれらを無視し、昨年一月二十三日には、異議審も棄却されてしまいました。其の問題点は「どこに」といえば司法当局の姿勢にあったとしても、私は「駄目」を押す意味で、或いは前記三つの鑑定を更に補強する上で、外国に持っていき、鑑定をして貰う事の必要性も強く願わずにおれません。然し、私は、日本人だから「権威」が無いといっているのではなく、外国、特にアメリカ、イギリスには足跡や文章など数百万に及ぶ鑑定をしている所もあるようなので、冤罪を確かなものにするには、諸鑑定を外国の人に頼んでいただくのも一つの方法ではないかと思った次第です。
 何れにせよ、年頭に当たり、私達の抱負と全国の支援者達に今迄以上の尽力要請が前後してしまったことを済まないと思いますが、一年の計は「元旦にあり」といわれるほど、新年の出足は其程重要とのことであるといいますけど、別に一月一日に計画を立てるという意味ではございませんね。一日で一年間の計画が立てられる筈がなく、多分何方でも昨年の終わり頃になって、「……来年はどうしようか……」と自分の進むべき方向性を決めて新しい年を迎える筈です。たゞ私達は皆さんと違い、飽迄も無実の罪を晴らす闘いの一点にあるので、それには健康に留意して明日を見詰めて頑張って参るつもりです。
 その辺のことはさておき、皆さんもご承知の様に、もはや狭山事件は発生以来、四十年になり、幾度も国家的な権力犯罪に対して糾弾してきた経緯を見れば、事実調べの重要性は明らかですので、最高裁判所はたゞちに自らが東京高裁原決定を破棄し、公平なる再審を開始すべきことから進む道はどんなに険しくとも、真実は一つで無罪になる日まで不屈に闘って参る決意で居ります。
 何卒皆さんも一層のお力添え下さいますよう心からお願い申し上げて、右年頭のご挨拶と致します。

 ◎ 殺伐の社会に在れど明日も吾 真実一路花咲く日まで
 ◎ 日本にも証拠隠しの検察庁へ 査察団の見聞望む

二〇〇三年一月一日
石川一雄
全国の狭山支援者各位様