特別抗告審で勝利することが先決
全力でとりくんでもらうようお願いする
10・31石川一雄さんのメッセージ

「解放新聞」(2003.11.03-2143)

 10・31の集会への石川一雄さんのメッセージを掲載する。最高裁での闘いの勝利へ各地でとりくみをつみあげよう。

 狭山事件の発生から40年が経過した現在も、私石川一雄は「殺人犯」のレッテルを貼られた儘、今も苦しんでいる訳でありますが、彼の寺尾判決が出されてもう29年が経ってしまい、無念の思いは禁じ得ません。この間弁護団は私の無実を明らかにする数々の証拠を提出してきましたが、各裁判所は何一つ真剣に検討せず、平然と棄却を強行したのは、寺尾の差別判決を護持せんとする司法権力の居直りに他なりません。皆さんもご承知の様にこれまでに弁護団が提出した証拠、鑑定、証言のどれをとっても確定判決が崩壊する事を百も承知しているが故に裁判所は事実調べを避けざるを得なかったんだと思います。然も、検察が膨大な証拠を隠し持っており、積み上げれば2〜3メートルになることを検察自身が認めているにも拘らず、裁判所は弁護団の強い要望にも耳を傾けることなく勧告もせず、どうして公明正大な裁判が出来得るか、私は全国民の皆さんに声を大に訴えねばなりません。
 冒頭が長くなってしまいましたが、今日は10・31寺尾不当判決29か年糾弾集会に、今年も多数の支援者達のご理解のもとで開催して頂いたことを心からお礼と感謝の一文をお届け致します。私は寺尾判決の前に屈し、泣きましたが、同時に自分の人生が大きく変わったことも事実です。元より、振り返れば彼の時、どうしてもっと厳しく追及しなかったかと悔やまれる部分も多くありますけど、今は自由に羽撃(はばた)けなくても自己変革し、闘い続けてきたことを思えば、如何に言語に尽し難い、40年という途方もない年月が経過したとはいえ、現在は皆さんとともに誇り高く闘い、その姿勢を見てもらえるようになったことは、今後の自分の歩みに意義ある人生が送れるようになれると思います。
 然も、狭山差別裁判糾弾闘争の中で、部落の兄弟姉妹は言うに及ばず、一般大衆の中にまで、狭山差別裁判をはじめ、部落差別、権力犯罪を繰り返す張本人である裁判所、検察、警察に対し激しい怒りと「不信感を抱いてきた」ことだけでも、40年間の闘いは決して無駄ではなかったと、そのように感じるようになりました。当然の事乍ら最高裁に幻想を持ってはならない、社会情勢を見据えて闘って頂きたい、と常に警鐘を鳴らして訴え活動に精を出しておりますが、いよいよ補充書も提出され、「関ケ原合戦」ならぬ、最高裁で狭山の石川一雄の生死を決する闘いに突入いたしましたし、もうまったなしの勝負です。確かに狭山再審闘争と関連する「証拠開示のルール化」要求闘争も不可欠であり、ぜひ実現させねばなりませんが、私個人にとっては、兎にも角にも高木、高橋決定の護持は断じて許さない、そして、最高裁で勝利することが、何よりも先決と思っておりますので、どうか皆さんも、本糾弾集会と同時になんとしても、最高裁で差し戻しを勝取れますよう全力で闘って下さいますよう、此処に再度心からお願い申し上げて、今日の集会にご出席下さった各位に感謝の意を表わしてご挨拶の一筆に代えたいと思います。本当に有難うございました。

◎権力に人生奪われ40年も 自己の変革、正道を行く

 2003年10月31日
             石川一雄

寺尾不当判決29か年糾弾・再審実現決起集会
参加ご一同様