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第3次再審闘争に向け不撓不屈の姿勢を貫く
10.31石川一雄さんメッセージ
寺尾不当判決糾弾43か年を迎えメッセージを掲載する。
「解放新聞」(2005.5.30-2220)

えん罪晴れるまで、とことん闘う

 冤罪を晴らせない儘、確定判決31カ年を迎えてしまいました。此の間、刑務所、社会に出て10年余に、国家、司法権力打倒に燃え、常に最前線に起って闘って居た私に対し、最高裁は憎悪を剥き出し、「棄却」という大鉈を打ち下ろしたのです。然も、弁護団の提出した新証拠や補充書も真面(まとも)に検討せず、狭山再審闘争の幕引きを加速すべく、弁護団、市民の、新証拠、或は署名用紙の提出の約束を蔑(ないがし)ろにしてまで急いだ背景に何が存在したか、其等の問題点を総括せずに第三次に臨んでも結果は同じ轍を踏んで終うのは必然と解します。元より狭山差別裁判の元凶が寺尾の不当極まる判決にあることは、今日此処に結集された皆さんもこ承知の通りでありますが、狭山闘争の歴史的勝利の目処が立たない儘、本集会を迎えなければならなくなった事は、誠に断腸の思いであり、ご支援下さる皆さんのご期待に応えられない事に対し、心から申し訳なく思いつゝ、傷みを共有し、第三次闘争に望みを賭け、多忙の中を決起下さった皆さんに衷心より感謝の一文をお届けしたく重いペンを走らせた次第であります。
 支援者達を前に言及する程ではない事乍ら、私は司法権力に一切の幻想を捨てる一方、第三次こそ文字通り最終決戟と位置付け、旗幟(きし)をより鮮明に打ち出し、不撓不屈の精神で闘って参る所存でありますが、思えば寺尾正二裁判官の其れ迄の裁判が「公正・公平」であるとの見方に加え、一審は兎も角、私が冤罪を訴え出た以降、多くの無実性の証拠が出て来たこともあって、油断の姿勢も否定しえない事実であってみれば、其が基となって現在も闘いが続いている訳ですから、当時の事を思うと至極残念でなりません。
 何れにせよ、真実は一つであり、無罪を勝取るまで、支援者皆さん方のご協力は不可欠であることから、私自身も信念を持って、邁進して参りますので、どうか皆さん方も石川一雄を見捨てず、厳しい目をもって、私を見守って下さるよう心からお願い申し上げます。右先づは、本集会に決起下さった皆さんに感謝すると共に、私の不退転の決意の程をお伝えして、ご挨拶に代えて失礼致します。

◎ 寒暖や風雨、司法に阻まれど 苦難、試練を越えて勝利へ

二〇〇五年十月三十一日
石川一雄