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石川一雄さんのメッセージ
(2007.02.09)

 新年を迎えて早1ヶ月が経過し、私も「相変わらず」というよりも「えん罪が晴れる迄」は再審実現を目指して全力を尽くす以外にありませんが、現在新100万人署名は「71万筆」が集計されている旨伺い知りました。短期間に、これ程多くの署名を集めて下さった狭山支援者各位に感謝々の気持ちで一杯です。
 法を司る各裁判官は「公平・公正」でなくてはならない事は世界共通の認識でありますが、法律の実務家である筈の日本の裁判官の顔は常に国家権力に向き、或いは自己保身、出世欲等もあって、狭山裁判における国民大衆の願いや、弁護団の提出した無実を明らかにする多くの証拠・証言を無視し、許しがたい不当極まる棄却攻撃に対し、多くの市民が裁判の有り様に疑問を持ち、その結果が署名として顕著に現れたのだと思われます。
 元より、各分野でご活躍されておられる皆さん方が心一つに、「三次で再審を実現しよう」とお骨折り下さったお陰で、こんなに沢山の署名が集められたことはいうまでもありませんが、司法の府として期待していた最高裁の「結論・判断」が棄却という形で出され、その棄却決定の内容が荒唐無稽であっただけに多くの人が不信の念を抱いたことがその後開かれた集会等の中で参加者から感じられ、また、棄却されたにも関わらず、正義感に燃えた多くの弁護士が狭山弁護団に入ってくださったこととあわせ、私に力をいただいたことも事実です。
 思えば、部落解放同盟の積極的な支援・援助の下で勉学を通して、また、獄中で部落の300万兄弟・姉妹たちの光を求めた闘いを知り、面会という形での出会いもあって、司法権力の「姿勢を糺すんだ」という思いが強く芽生え、自分自身が変わっていくなか、生死を賭して今も理不尽極まる司法と対峙しつつ、第三次再審闘争に、邁進している訳であります。
 私自身は無実であるにも関わらず、部落民故に司法の威信を守るために、犯人にされていることをもっともっと多くの人に知って貰いたいと願わずにはおれません。今回の新100万人署名に於いてもどれほど多くの支持者を獲得できるかは、どれほど大きな世論の広がりがあるかということであり、裁判所も注目していると思われることから、目標を達成し、今後の闘いに大きな弾みとしたいと希っています。
 裁判で示された判断に司法の正体を看破し、その権力犯罪に因って、現在も私がどんな苦渋の下にあるかを知って、多くの人たちが「裁判をやり直せ」と闘いに参加し、また温かい手を差し延べて下さっております。弁護団は、3月末には東京高裁・大野裁判長に新証拠・補充書を提出するとともに事実調べ・再審開始を求めていきます。
 「狭山事件の再審を求める市民の会」(代表・庭山英雄さん、事務局長・鎌田慧さん)は5月23日までに100万人署名達成を掲げていますが、可能な限り第一回提出の3月1日までに達成したいとのことであり、また同盟でも「2月」を狭山100万人署名運動強化月間として取り組まれることから、支援者の皆さんがたには誠に申し訳なく思いますが、もう一踏ん張りご奮闘して頂いて、100万筆達成にはあと「29万筆」なので、ぜひともご理解のうえご協力を切に願う次第であります。
 全国の仲間の皆さんの協力をいただき、お一人おひとりから頂いた一筆が71万に達したということに、正義を求める熱い心や、善意が枯れずに、大きく羽を広げようとしていることに、感無量ですが、私は裁判所に「事実調べ」をさせることが「無実」が「無罪」になるということを声を大に訴えます。
再審実現に意欲を燃やして闘い続けて下さっている支援者の皆さん、何卒今後とも一層のお力添えを賜れますよう心からお願い申し上げます。

石川 一雄