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狭山事件

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石川一雄さんのメッセージ〜今後の人生を左右する4回日の3着協議が

 全国の支援者の皆さん、私、石川一雄は多くの支援者たちの支えに依って、連日の猛暑にも負けることなく不撓不屈の精神で闘いを展開中です。
  すでに皆さん方もご承知かと存じますが、4回目の3者協議が迫っており、恐らく此の時にある程度の闘いの方向性が明らかになると思われるだけに、今が如何に大切か、極論すれば、私の今後の人生が左右される岐路の身にあってみれば、今こそ精力的に活動し、且つ皆さんにもご理解を求め、今まで以上のご協力を賜りたく、一筆執らせて頂きました。
  無実を訴えて47年、此の間、科学や、医学の進歩に依って狭山事件の冤罪性がますます明らかになり、弁護団は、数々の鑑定結果、新証拠を裁判所に提出していたのでしたが、今迄の司法は、誤判の第二審の寺尾判決を追認踏襲し、これら諸鑑定を無視してきたのでした。
  しかし、この間、多くの冤罪事件が発覚したこと、裁判員裁判が始まったこと等の状況の変化とこれまでの闘いの積み重ねのなかで、昨年12月、門野裁判長は証拠開示勧告の英断をされ、この5月に検察官は47年間隠し続けてきた証拠、36点の開示に応じたのでした。其れまでは「証拠は無い」「有るか無いかも言う必要はない」といい続けていましたが、裁判長の勧告だけに、検察も重く受け止め渋々ながらも36点を開示したのです。
  然しながら、弁護団が要求していた「ルミノール反応検査報告書」など肝心のものは「不見当」として未だに隠して出そうといたしません。
  自白した録音テープにしても、それが存在するならば、犯行を否認していた日時ははるかに長く、その間、拷問的な取り調べの中での取調官との会話はどのようであったのか、私は、一部を録音したテープではなく、「自白」する以前の否認当時の録音テープや取調べメモなど全て出して、事件の全貌、取調べの実態を明らかにしてほしいと希っています。
  当然にも無実を訴えている私の真相究明には最低でも「8項目」の証拠開示が必要と感じたからこそ、これらの証拠を隠すことなく「出しなさい」と裁判長は勧告したんですから、少なくとも勧告されたものだけでも出してもらいたいし、また、47年間も冤罪を訴えている私の悲痛な叫び声に応えるべきだと思うと、検察官の対応に憤りを禁じえません。国民の税金で収集した証拠は、弁護団の求めに応じて、全部出して、裁判官に判断してもらうべきだと思うし、そうすることが、検察官に課せられた責務であり、且つ国民の信頼も得られると思います。
  検察庁には現在でも相当数の未開示証拠があるはずです。真実は不変とはいうものの、何十年も真相が闇の中に隠されたままでいい筈がありません。
  お蔭さまで、私自身は皆さん方の支えと強固な意志の下で、47年間も闘い抜くことができました。近い将来必ず私の訴えは司法に届くものと信じて、今後も無罪を勝ち取るまでは不撓不屈の精神で司法当局に真実の解明を求めて参る決意でおります。
  来る4回目の3者協議において、裁判長にぜひとも、さらなる証拠開示の勧告と事実調べをすすめてもらいたく、わたくLも8月25日から高裁前でマイクを手に「公平・公正」裁判を訴えて参る所存です。
  どうか皆さんも可能な限りお力添えくださいますよう喪心よりお願い申し上げます。右、常日頃のご支援に対する感謝の気持ちと、私の決意の程をお伝えしてご挨拶の一端に代えさせていただきます。

2010年8月25日
石川一雄

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