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<月刊「狭山差別裁判308号/1999年8月>

東京高裁・高木俊夫裁判長による再審棄却に
断固抗議し、さらなる闘いで反撃しよう!

 東京高裁第四刑事部の高木俊夫裁判長は、7月8日付で、事実調べもまったくおこなうことなく、狭山事件の第2次再審請求を棄却した。弁護団がさる6月10日に、新鑑定を提出、重大な自白の矛盾を明らかにし、事実調べを求めて6月22日に面会した直後であり、許しがたい抜き打ち棄却決定である。弁護団が58点におよぶ鑑定書等の新証拠を提出し、鑑定人尋問、復元カモイの現場検証、指紋検出実験など再三にわたって要求してきたにもかかわらず、13年間、事実調べも証拠開示勧告もまったくおこなうことなく再審を棄却したことは、120万人を超える事実調べを求める署名、81人の法学者の署名、さらには670近い地方自治体の首長署名、労働組合、宗教者、企業関係者など幅広い国民各界の事実調べを求める声をふみにじる暴挙である。わたしたちは、満身の怒りをこめて再審棄却決定を糾弾しなければならない。
 石川一雄さんは、直後の記者会見で毅然として、「冤罪が晴れるまでは何十年かかろうとも闘い抜く」と決意を語った。弁護団は、7月12日に異議申立書を東京高裁に提出し、今後は、東京高裁で異議申立ての審理が進められる。わたしたちは、石川さんのくやしさをかみしめるとともに冤罪を晴らす断固たる決意にこたえて、さらなる闘いを全力でおしすすめなければならない。異議審において、かならず不当な再審棄却決定を取り消させ、再審開始決定をかちとらなければならない。
 さらに、高木・棄却決定の許し難い重大な点は、弁護団と検察官との折衝で未開示証拠が多数あり、証拠のリストもあることがはっきりしているのに証拠開示の勧告もおこなわなわなかたことである。再審請求では新証拠の提出が必要とされ、検察官手持ちの未開示証拠が存在するにもかかわらず、これを無視して審理を打切り、再審請求を棄却したことは公平・公正な審理と断じて言えない。証拠開示を保障せよという国連の勧告もまったく無視された。わたしたちは、今後の異議審の闘いにおいて、東京高検にたいして隠し持つ全証拠の開示を求める闘いをさらに強化しなければならない。また、東京高裁にたいして
も証拠開示の保障を強く求めていかなければならない。
 棄却決定は内容においても、弁護団提出の新証拠とその他の証拠を総合的に評価して、確定判決を見直すという再審の考え方に真っ向から反し、再審の流れを逆行させる決定である。
 今回の高木決定は、裁判所があまりにも市民常識、人権感覚とかけはなれていることをはっきりと示している。高木・棄却決定を許すならば、裁判所は誤判を生み出しつづけ、人権を守り、無辜を救済する砦どころか、市民の人権をふみにじる権力と一体となって強権的に後押しするところに堕してしまったことを認めることにしかならない。このままでは絶対に許されないである。
 わたしたちは、高木・棄却決定のデタラメな内容を徹底して学習し、反動的な決定の持つ危険な意味を国民に暴露し、市民一人ひとりの声で反撃していこう!全国各地から高木決定批判と抗議のハガキを送ろう!異議審において事実調べ・全証拠開示を実現し、再審棄却決定の取消しと再審開始をかちとろう!


月刊狭山差別裁判題字

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