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<月刊「狭山差別裁判」319号/2000年7月>

棄却決定の不当性・デタラメさを徹底して暴露しよう
証拠開示かちとり異議審闘争に勝利しよう

 昨年の東京高裁第四刑事部・高木裁判長による抜き打ち的な棄却決定から一年を迎える。棄却決定の不当性の第一は、鑑定人尋問やカモイの検証など弁護団が要求した事実調べもまったくおこなわずに再審請求を棄却したことである。筆跡の違い、国語能力の違いをあきらかにした大野鑑定や神戸鑑定、あるいは指紋の不存在の疑問や脅迫状の封筒の筆記用具が自白とくいちがうことをあきらかにした元鑑識課員による齋藤鑑定など多数の専門家による鑑定書について、鑑定人の尋問もおこなうことなく、「筆跡の相異は書くときの環境によるもので筆者の相異ではない」「(石川さんには)ある程度の国語能力があったから脅迫状を書けた」「指紋は必ず検出されるとは限らない」などと決めつけで一方的に否定し、再審請求を棄却している。
 高木棄却決定は審理手続きとして極めて不当なだけでなく、内容としてもデタラメである。石川さん宅から押収された万年筆のインクが被害者が使っていたものと違うという重大な矛盾についても、「違うインクが補充された可能性も考えられなくはない」という一言でごまかしているのだ。棄却決定が「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則も「無実の人を誤判から救済する」という再審の理念もふみにじるものであることはあきらかである。
 さらに、弁護団が再三にわたって東京高裁にたいして証拠開示の保障を求め、東京高検が多数の未開示証拠が手元にあることを認めていたにもかかわらず、証拠開示を保障しないまま再審を棄却したこともあまりにも不公平、不公正であるといわねばならない。弁護側に証拠開示の保障を求めた一昨年十一月の国連・自由権規約委員会の勧告も無視されたままである。
 さる、六月二十八日、弁護団は、東京高検の担当検事と折衝をおこない、証拠開示を強く求めた。六月に東京高検の担当検事が松本検事から江幡豊秋・検事にまた交代し、江幡検事はひきつぎを受けたばかりとして検討中と述べるにとどまった。この一年間に担当検事がつぎつぎと交代している。積み上げれば二メートルという未開示証拠が手元にあることを認めながら、まったく開示しないまま、担当検事がつぎつぎ交代し、前向きな回答もなされないのは、きわめて不誠実・不当な対応といわねばならない。わたしたちは、証拠隠しを続ける東京高検の不当性を徹底して訴え、証拠開示の闘いをさらに強化しよう。
 弁護団は、さる3月末に提出した異議申立補充書と新証拠を提出した。補充書は、棄却決定の誤りをあきらかにするとともに、捜査の問題点と部落差別の実態を指摘し、自白の信用性の再検討をせまっている。新証拠は、筆跡の違い、指紋の不存在、脅迫状作成・犯行手順についての確定判決の事実誤認をあきらかにし、証拠の主軸とされた脅迫状と石川さんとの結びつきが完全に断たれたことを立証した。わたしたちは、これら新証拠、補充書の学習をすすめ、東京高裁の再審棄却決定の誤りと不当性を徹底して暴露し、この異議審の闘いで再審開始をかちとるべく闘いの強化をはからねばならない。
 異議申立から一年を迎え、夏休みに入る前は気をゆるめることのできない時期である。昨年の抜き打ち的棄却決定を忘れることなく、七、八月の闘いを全力でおしすすめよう。七・七棄却一ヵ年糾弾中央集会を皮切りに、八・三~九狭山・反戦・反核・平和週間にかけて、各地でも棄却決定批判集会や街頭宣伝、要請ハガキ運動を実施しよう。


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