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<月刊「狭山差別裁判」325号/2001年1月>

東京高裁はただちに狭山事件の再審を開始せよ
ことしこそ事実調べ、証拠開示を実現しよう

 異議審が緊迫した段階にはいるなかで新しい年をむかえた。年末の十二月二十七日、狭山弁護団は、東京高裁に山口・鈴木補足意見書と異議申立補充書、そして、新証拠として小畠意見書を提出した。昨年十一月、東京高裁第五刑事部の高橋裁判長は、九月に提出された山口・鈴木鑑定について、山口、鈴木両鑑定人から直接説明を聞いた。今回提出された山口・鈴木補足意見書は、この鑑定説明をふまえて作成、提出されたものである。山口、鈴木両鑑定人は、高橋裁判長にたいして、三次元スキャナを用いた足跡形状の計測・観察の内容とともに、現場足跡は印象した地下足袋の特徴を十分に反映しておらず、押収地下足袋との同一性を論じられるような証拠価値はないこと、「破損痕」の一致を根拠に押収地下足袋と現場足跡が一致するとした警察側の関根・岸田鑑定の方法、結論がいかに信用性のないものであるかを具体的に説明した。補充書は、そのことを確認するとともに、棄却決定の誤りをあきらかにし、ただちに再審を開始するよう求めている。
 また、同時に提出された小畠意見書は、脅迫状封筒の「少時」がボールペンでなく万年筆インクで書かれたという齋藤第一、第二鑑定の結論を化学的に裏付けるもので、弁護団はこれについての補充書を一月末に提出することにしている。このように、弁護団は新証拠の提出を積み重ね、事実調べ・再審開始を強くせまっており、わたしたちもこれにこたえて、さらに棄却決定批判の声を大きくし、再審開始を求める闘いを一層強化しよう。
 弁護団はまた、年明け早々に東京高検の江幡検事にたいして証拠開示の折衝を申し入れる予定である。東京高検は、証拠リストの開示はしないとし、再審請求における証拠開示を全面的に拒否するというきわめて不当な姿勢をあらわにしている。ことしは司法制度改革審議会の答申が出されるが、その中間報告でも、検察官による証拠開示の拡充にむけたルール化の必要が言われるなかで、東京高検の姿勢はこれに逆行し、反動的なものといわねばならない。誤判防止のために検察官手持ち証拠の全面開示が必要とする法学者らの意見や公正な裁判、証拠開示の保障を求めた国連勧告、国際人権基準からしても、あきらかに東京高検の姿勢は不当であり、許されない。
 わたしたちは、緊迫感をもちながら、東京高裁、東京高検にたいする要請ハガキ運動などの取り組みを強化しよう。一・二八~二・七を狭山闘争強化旬間として、各地で取り組みをすすめよう。昨年一年間に狭山・住民の会は九十八団体にまで広がった。年明け早々には百団体を突破する勢いであり、さらに住民の会など市民的な狭山闘争のあらたな広がりを作りだそう。そして、えん罪・誤判事件、再審の教訓や証拠開示の問題、司法の現状や改革の課題などについての学習・教宣を強化したり、インターネットなども活用して国際的にも狭山事件を発信するなど活動を活性化させよう。
 狭山事件はことし三十八年になる。無実を叫びつづける石川一雄さんの「見えない手錠」を、この新世紀に一日も早く解くために、わたしたちは、あらたな決意で闘いをスタートさせよう。全力で狭山闘争をすすめるなかで、市民常識が通じ、人権が守られる司法を実現し、真に二一世紀を人権の世紀にしていこう。

月刊狭山差別裁判題字 

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