<月刊「狭山差別裁判」352号/2003年4月>

狭山事件40年を問う取り組みを各地で実施しよう!
証拠開示の公正なルール化を求める運動を進めよう!

 狭山弁護団は、三月二十六日、東京高検の中山純一検事と再度証拠開示の折衝をおこなった。前回の折衝で弁護団が手持ち証拠の内容を明らかにするよう求めたのにたいして、中山検事は「手持ちの二〜三メートルの証拠」が警察にあった控えの記録を取り寄せたもので、すべてが未開示のものではないとだけ回答した。弁護団が未開示のものがどれぐらいあるのか、内容を明らかにするよう求めたが、内容については答えなかった。しかも、四月一日付で転勤し、新しい担当検事にひきつぐとしたという。この間の折衝で、「未開示のものをふくむ二〜三メートルの証拠」が検察庁にあることははっきりしたが、証拠リストの開示、手持ち証拠の内容を明らかにするにはいたっていないというのが、狭山事件の証拠開示の現状だ。
 しかし、証拠リストについては、昨年、大津地検は再審請求中の日野町事件において再審弁護団に開示しており、かつて、免田事件や梅田事件でも弁護団に開示した前例がある。日弁連の証拠開示立法要綱でも証拠リストを弁護側に開示したうえで、そのリストにもとづいて個別証拠の開示請求をする手続を提案しているし、イギリスはそうした手続を定めた証拠開示法が確立している。司法改革において証拠開示の拡充をルール化する場合、警察などによる証拠隠しを防ぐためにも検察官が証拠リストをもれなく作成し弁護側に交付する義務を定めることは不可欠だし、かつ合理的な手続であろう。
 東京高検の新担当検事は、すみやかに弁護団との折衝に応じ、証拠リストを開示するべきである。大量の未開示証拠をこれ以上隠すようなことは許されない。未開示のものがどれぐらいか、どのような内容のものかただちに明らかにすべきである。諸外国で証拠開示手続が確立されていることや国連の勧告、司法改革で証拠開示ルール化の動きもふまえて、最高裁も証拠リストの開示勧告を検察庁にたいしておこなうべきである。東京高検の担当検事や最高裁への要請ハガキの取り組みを強めよう。
 同時に、当面の取り組みのなかで軸になるのが証拠開示のルール化を実現する闘いである。司法改革において、証拠開示の公正な法制化を実現する機会は今をおいてない。裁判貝制度導入、裁判迅速化のいずれも捜査や取り調べの適正化、透明化と証拠開示ぬきに考えられない。誤判・えん罪をなくすための証拠開示の公正なルール化を求める幅広い運動をおこしていこう。
 狭山事件発生から四〇年をむかえようとしている。石川一雄さんにとっては、いまだにえん罪が晴れない、長い人権侵害の四〇年である。われわれは、このような長期にわたるえん罪、人権侵害がなぜおきたのか、四〇年たってもなぜ誤判から救われないのか、司法のありかたを問うとともに、われわれ自身の闘いもふりかえる必要がある。中央本部では、狭山事件四十年を契機に、原点にかえって狭山事件の総学習運動をすすめることを提起し、そのための総合的なパンフレットを作成・活用できるようにする。また、市民に広くアピールできるように、新しいパネル用写真セットも作成する予定である。
 さらに、五月二十三日に不当逮捕四十カ年を糾弾する中央集会をひらくとともに、狭山闘争の勝利をどう勝ち取るのか微底した討論会やシンポジウムをひらくなど、市民へのアピールと闘いの強化にむけたとりくみをことし一年を通して実施していく予定である。ぜひ、各地でも「狭山四十年を問う」とりくみを創意工夫をこらして実施してほしい。


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