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<月刊「狭山差別裁判」356号/2003年8月>

証拠隠しを許さない国民世論をもりあげ
証拠開示の公正なルール化を求める署名運動を展開しよう!

 弁護団は、九月末に最高裁に提出する特別抗告申立補充書の作成をすすめている。九月三十日には、永井調査官と面会し、補充書を提出するとともに、再審棄却決定、異議申立棄却決定を取り消して、事実調べをおこない、再審を開始すべきだと強くせまる。証拠開示についても、最高裁に開示勧告を申し入れるとともに、東京高検、最高検の担当検察官に証拠リスト開示を強く求めて今後も交渉することにしている。補充書提出を受けて、緊迫した段階にはいることをふまえて、最高裁、最高検への要請ハガキを全国から集中しよう。
 同時に、いま、もっとも重要な課題のひとつとして、証拠開示の公正なルール化を求める署名運動に全力でとりくまなければならない。七月に閉会した通常国会で「裁判迅速化法」が通り、来年の通常国会では「裁判員制度」導入や証拠開示などの刑事手続きについての法律が提案、決められようとしている。この司法改革で証拠開示の公正なルール化を実現するために、この秋の臨時国会で議論をまきおこさなければならない。そのためにも、いまこそ、大衆的な証拠開示署名運動を全国的にすすめ世論を大きくしなければならないのである。
 具体的には、昨年暮れに、えん罪にとりくむ弁護士や法学者、ジャーナリスト、文化人らにより結成された「公正な証拠開示を求める会」が提案している「証拠開示法制要綱」を法律化することを求める署名運動がすでに各地ですすめられている。
 部落解放同盟、共闘団体、狭山住民の会などで、この署名運動に全力でとりくもう。
 公正な証拠開示ルール化をいま求めることはきわめて重要である。刑事裁判を充実・迅速にすすめるためにも、また、市民が参加して集中して審理する「裁判員制度」を真に公正・公平で、弁護側の権利を保障したものにするためにも、公正な証拠開示のルールをつくることは不可欠である。
 さらに、弁護側が証拠開示を受ける、検察官手持ちの証拠を閲覧・利用できるルールをつくることは、狭山事件だけでなく、再審を求めているえん罪事件にとって大きな意味をもつ。狭山事件でも、東京高検に大量の未提出証拠があり、そのリストもあることがはっきりしてすでに四年が経過するが、いまだに一切開示していない。証拠リストを見せることさえ拒否している。検察官に開示することを義務づける法律も規則もないことを理由に、裁判所もまったく無視している。これはだれが見ても不公平な状態であろう。来年の通常国会でなんとしても公正な証拠開示の法制化を実現しよう。そして、狭山事件の証拠リスト開示を実現しよう。
 いま、証拠開示のルールをつくることは国連の勧告にこたえることでもある。まさに、「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたい」(日本国憲法前文)とするならば人権保障の確立こそ急ぐべきなのである。自由権規約の報告書を政府が国連に提出しなければならない今こそ、諸外国ではすでに確立されている証拠開示の公正なルールを日本でも確立すべきである。証拠開示署名を集めきり、秋の臨時国会で国会議員、政府の司法制度改革推進本部に証拠開示の公正なルール化を強く要請しよう。


月刊狭山差別裁判題字 

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